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前回までのあらすじ 

 

王都に平和が戻り

リオンは新設された王立思念鳥管理局の初代局長に任命される。

 

新しい使用規約を設け、

思念鳥と人間の健全な関係を築き始める。

 

赤い鳥と青い鳥のバランスが保たれ、

穏やかな日々が戻ってきた。

 

本編 

 

新体制から半年が経った。

 

表面上、王国は順調に回復していた。

 

思念鳥の使用は制限され、暴走の兆候もない。

 

だが、リオンは気づいていた。

 

人々は、まだ思念鳥に依存しすぎている。

 

管理局の会議室で、リオンは職員たちに提案した。

 

「『沈黙の日』を設けたい」

 

「沈黙の日?」

 

エナが首を傾げた。

 

「月に一度、思念鳥を一切使わない日だ。

人々が、鳥なしで過ごす練習をする」

 

ベルナルドが渋い顔をした。

 

「反発が大きいぞ。

今でさえ、制限に不満を持つ者がいるのに」

 

「分かっている。でも、必要なことだ」

 

リオンは窓の外を見た。

 

空には、相変わらず無数の鳥が飛んでいる。

 

「俺たちは、思念鳥を止めることには成功した。

でも、それだけじゃ足りない。

人々が、鳥がなくても生きていけることを、

実感する必要がある」

 

「でも、どうやって人々を説得するんです?」

 

リオンは少し考えた。

 

「まず、俺たちから始めよう。

管理局の職員が、一日鳥を使わずに過ごす。

その後、賛同してくれる人を少しずつ増やしていく」

 

「強制じゃなく、自主的に?」

 

「ああ。強制すれば、反発を生むだけだ。

でも、静かに広がる運動なら……」

 

 

 

翌週、管理局は「沈黙の日」の実験を開始した。

 

最初は、職員五十名だけ。

 

朝、出勤すると、リオンは自分の思念鳥舎に鍵をかけた。

 

「今日は、お休みだ」

 

鳥たちは不思議そうに鳴いた。

 

だが、リオンは心を鬼にした。

 

一日が始まった。

 

最初の一時間は、奇妙な静けさだった。

 

いつもなら、鳥が飛び交い、報告や連絡が次々と届く。

 

だが、今日は何もない。

 

エナが困った顔で、リオンの部屋を訪れた。

 

「先輩、報告書を直接持ってきました。

鳥が使えないと、こうするしかないですね」

 

「それでいいんだ」

 

リオンは微笑んだ。

 

「直接会って話す。それが本来の姿だ」

 

午後、ベルナルドが実験結果を報告しに来た。

 

「思ったより、不便じゃないな」

 

彼は意外そうに言った。

 

「むしろ、直接話した方が、細かいニュアンスが伝わる」

 

「だろう?」

 

 

 

夕方、職員たちが集まって感想を共有した。

 

「最初は不安でしたが、慣れました」

 

「直接会うことで、相手の表情が見えて良かったです」

 

「でも、遠くの人とは連絡が取れませんね」

 

「それも必要なことだ」

 

リオンは答えた。

 

「本当に重要な連絡ではないなら、翌日まで待てる。

すぐに伝えなきゃいけないことって、

実はそんなに多くないんだ」

 

実験は成功だった。

 

 

次に、リオンは街の人々に呼びかけることにした。

 

だが、大々的な告知はしなかった。

 

代わりに、小さなポスターを、市場や広場にこっそり貼った。

 

『沈黙の日に参加しませんか? 

月に一度、思念鳥を休ませる日。詳しくは管理局まで』

 

最初は、反応が薄かった。

 

だが、一週間後、一人の老婆が管理局を訪れた。

 

「わしも、参加したい」

 

「どうして?」

 

エナが聞いた。

 

「最近、気づいたんじゃ。

鳥に頼りすぎて、孫の顔を見に行くことも少なくなった。

たまには、直接会いに行かなきゃな」

 

老婆は笑った。

 

「鳥は便利じゃが、温もりがない。

孫を抱きしめる代わりには、ならんのじゃ」

 

リオンは頷いた。

 

「ありがとうございます。ぜひ、ご参加ください」

 

口コミで、少しずつ参加者が増えていった。

 

若い母親たち。商人。職人。学者。

 

「鳥がないと、家族と会話する時間が増えた」

 

「思念鳥で済ませていたことを、直接やるようになった」

 

「意外と、悪くない」

 

 

 

二ヶ月後、参加者は千人を超えた。

 

 

 

そして、ある日。

 

リオンは市場で、不思議な光景を目にした。

 

商人たちが、客と対面で丁寧に話している。

 

思念鳥で注文を受けるのではなく、

直接会話を楽しんでいる。

 

「思念鳥は便利だが」

 

ある商人が言った。

 

「やっぱり、客の顔を見て商売したいんだよ」

 

リオンは微笑んだ。

 

これだ。これが、本来の姿だ。

 

 

だが、全てが順調というわけではなかった。

 

 

ある日、管理局に抗議の手紙が届いた。

 

『思念鳥を使わせろ。お前たちは自由を奪っている』

 

リオンは手紙を読み、深く息をついた。

 

「誤解されてる……」

 

「仕方ないですよ」

 

ベルナルドが言った。

 

「変化を恐れる人は、いつの時代もいる」

 

「でも、俺たちは強制してない。

自主的な参加を呼びかけているだけなのに」

 

その時、エナが駆け込んできた。

 

「先輩、大変です! 東区で、反対運動が起きてます!」

 

三人は東区に急行した。

 

広場に、百人ほどの人々が集まっている。

 

その中心に、一人の男が立っていた。

 

「思念鳥は俺たちの権利だ! 

管理局は、それを奪おうとしている!」

 

群衆が呼応する。

 

「そうだ!」

 

「自由を返せ!」

 

リオンは前に出た。

 

「待ってください! 誤解です!」

 

男はリオンを睨んだ。

 

「誤解? お前たちは、鳥を使うなと言っている!」

 

「違います」

 

リオンは冷静に答えた。

 

「俺たちは、月に一度、

『自主的に』鳥を休ませる日を提案しているだけです。

強制ではありません」

 

「でも、圧力をかけてるだろう! 

参加しない奴を、非国民扱いして!」

 

「そんなことはしていません」

 

だが、男は聞く耳を持たなかった。

 

「嘘をつくな! 

お前たちは、俺たちをコントロールしようとしている!」

 

群衆が騒ぎ始めた。

 

リオンは、既視感を覚えた。

 

これは……赤い鳥の暴走の時と、同じだ。

 

事実ではなく、感情が先行している。

 

「皆さん」

 

リオンは声を張った。

 

「落ち着いて、考えてください。

俺たちは、あなたたちの敵じゃない」

 

「黙れ!」

 

だが、その時。

 

群衆の後ろから、声が上がった。

 

「待て、リオンの話を聞こう」

 

振り返ると、あの老婆が立っていた。

 

沈黙の日に最初に参加してくれた人だ。

 

「わしは、沈黙の日に参加しとる。

誰にも強制されとらん。

自分で選んだんじゃ」

 

「そうだ」

 

別の参加者も前に出た。

 

「俺も自主的に参加している。

管理局は、何も強制していない」

 

次々と、参加者たちが声を上げた。

 

「思念鳥は便利だが、使わない日があってもいい」

 

「休むことで、大切なものに気づけた」

 

「選択の自由があるから、価値がある」

 

男の表情が、徐々に変わっていった。

 

「でも……」

 

「あなたも、試してみてください」

 

老婆が優しく言った。

 

「一日だけでいい。

鳥を使わずに過ごしてみて。

それで何も感じなければ、参加しなければいい。

それだけのことじゃ」

 

男は黙り込んだ。

 

群衆も、静まり返った。

 

リオンは一歩前に出た。

 

「俺たちは、思念鳥を否定していません。

ただ、依存しすぎることを心配しているんです。

道具は、使う側が制御できて初めて、価値がある。

道具に制御されたら、それは――」

 

「奴隷だ」

 

男が呟いた。

 

「その通りです」

 

男は深く息をついた。

 

「分かった……考えてみる」

 

群衆は、ゆっくりと散っていった。

 

リオンは、ホッと胸を撫で下ろした。

 

「危なかった……」

 

「でも、乗り越えましたね」

 

エナが微笑んだ。

 

 

 

その夜、リオンは屋上に立っていた。

 

空には、いつもより少ない数の鳥が飛んでいる。

 

沈黙の日の参加者が増えたからだ。

 

静かな空。

 

それは、少し寂しいけれど、健全な光景だった。

 

手のひらの青い鳥が、リオンの指に止まった。

 

ブルートの子供、リオンは「ルナ」と名付けた。

 

「お前たちは、いつでも飛べる」

 

リオンはルナに語りかけた。

 

「でも、飛ばないことも、選択できる。

それが、自由だ」

 

ルナは、小さく鳴いた。

 

まるで、理解したかのように。

 

次回のお話は・・・ 

 

最終話。

 

沈黙の日が王国全体に広がる。

 

そしてリオンは、

思念鳥の「本当の意味」を、

人々に伝える――。

 

 

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それでは次回もお楽しみに!

 

 

 

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