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それでは、今日のお話をお楽しみください!

 

 

 

前回までのあらすじ 

 

「ナリワイ町」で、

様々な人々のユニークな「ナリワイ」に触れてきたハルト。

 

自分の不器用さや欠点の中にも価値があることを学び、

心を温める「おちこみ係」として成長してきました。

 

前回、第9話では、

「寝すぎカフェ」で人の夢を盗む怪しい男の事件を、

店主のユメミやヌゥさんと協力して解決。

 

人々にとって「眠り」や「夢」が

いかに大切なナリワイであるかを知りました。

 

 

 

 

 

本編 

 

ナリワイ町の路地裏に、

古びた扉を隠すように、

小さな看板がひっそりと掲げられている。

 

『今日のための予習屋さん』

 

予習屋さん、という言葉を聞くと、

誰もが「明日のための予習」を想像するだろう。

 

しかし、この塾のナリワイは、その真逆だった。

 

未来への不安を抱え、

「明日」を生きることが怖い人々のために、

「今日」だけを丁寧に教えてくれる、不思議な塾なのだ。

 

塾の先生は、ヒカル。

 

年の頃は20代後半だろうか。

 

丸い眼鏡をかけ、いつも柔らかい笑顔を浮かべている。

 

彼のナリワイは、今日という一日を、

まるで初めて経験するかのように、丁寧に、

そして大切に生きることを人々に教えることだった。

 

「明日、何か悪いことが起こるかもしれない…」

 

「未来がどうなるか分からなくて、不安で仕方ないんです…」

 

ヒカルの塾には、そんな悩みを抱えた人々が、

毎日ひっきりなしに訪れる。

 

彼は、そんな人々の話に静かに耳を傾け、

そしてこう言うのだ。

 

「大丈夫ですよ。今日は、まだ今日しかありませんから」

 

そして、彼は「今日の予習」を始める。

 

「今日の朝食は、パンとコーヒーですね。

コーヒーの香りを、

いつもより少しだけ長く嗅いでみましょう。

 

焼きたてのパンの温かさを、

両手で感じてみましょう」

 

「今日は、向かいのパン屋さんが、

新しいパンを焼く日かもしれませんね。

 

どんなパンが並ぶか、想像してみましょう」

 

ヒカルの「予習」は、決して難しいものではない。

 

ただ、今日という一日の中で、

見過ごしがちな小さな出来事を、

まるで初めて見るかのように、

注意深く観察することを促すのだ。

 

 

ハルトは、この「今日のための予習屋さん」に、

何度か足を運んだことがある。

 

彼もまた、「おちこみ係」として、

未来への不安を抱える人々の相談を受けるうちに、

自分自身の未来に漠然とした不安を感じることがあったからだ。

 

「この仕事で、本当に僕はやっていけるのだろうか…」

 

そんな不安が、彼の心を覆う時、

ハルトはヒカルの塾を訪れる。

 

ヒカルは、そんな彼に、こう言った。

 

「ハルトさん、今日の予習をしましょう。

今日は、空を見上げて、雲がどんな形をしているか、

じっくりと見てみましょう。

 

あの雲は、もしかしたら、

旅に出る動物の形をしているかもしれませんね」

 

ハルトは、ヒカルに言われるまま、

広場のベンチに座り、空を見上げた。

 

いつもなら気にも留めない雲の形が、

今日はまるで生きているかのように、

色々な形に変わっていくのが分かった。

 

そのうちに、彼の心に重くのしかかっていた不安が、

少しずつ軽くなっていくのを感じた。

 

ヒカルの「予習」は、未来の不安から、

人々の意識を「今」という瞬間に引き戻すナリワイなのだ。

 

ある日のこと。ヒカルの塾に、一人の若い女性が訪れた。

 

彼女の名前はユリ。

 

明日、とても重要なプレゼンテーションを控えており、

極度の緊張と不安で、

眠ることも食べることもできなくなっていた。

 

 

「もし失敗したら…

明日が怖くて、動けなくなってしまいそうです…」

 

ヒカルは、そんなユリに、

いつものように穏やかな声で言った。

 

「大丈夫ですよ。まずは、今日の予習をしましょう。

今日の予習は…『深呼吸』です」

 

ヒカルは、ユリの隣に座り、一緒にゆっくりと深呼吸を始めた。

 

「息を吸って…花の良い香りを胸いっぱいに吸い込むように…」

 

「息を吐いて…心の重たい霧を、全て吐き出すように…」

 

ヒカルの声に導かれ、

ユリは何度も深呼吸を繰り返した。

 

そのうちに、彼女の張り詰めていた心が、

少しずつ解れていくのを感じた。

 

「未来のことは、誰にも分かりません。

でも、今日の深呼吸は、今日のユリさんのものです。

 

明日のことは、明日考えればいい。

今日の深呼吸を、大切にしましょう」

 

その日の夜、ユリは久しぶりにぐっすりと眠ることができた。

 

そして、翌日、彼女は緊張しながらも、

落ち着いてプレゼンテーションをやり遂げた。

 

完璧ではなかったかもしれないが、

彼女は自分の全力を出し切ることができた。

 

プレゼンテーションが終わった後、

ユリは、ヒカルに会うために塾へと駆けつけた。

 

「ヒカルさん!私、できました!

明日のことが怖くなくなりました!」

 

ヒカルは、何も言わず、ただ優しく微笑んだ。

 

そんなヒカルの塾に、ある日、一人の客が訪れた。

 

黒い帽子を目深に被り、顔にはサングラス。

 

彼は、先日「寝すぎカフェ」に現れた「悪夢配達人」だった。

 

彼は、ハルトとユメミによって夢を巡る悪事を阻止された後、

新たなナリワイを見つけるために、

ナリワイ町を彷徨っていたのだ。

 

「この町には、変わったナリワイのやつらがたくさんいるな…」

 

男は、ヒカルの塾の看板を見て、ニヤリと笑った。

 

「今日だけを生きるだと?馬鹿げている。

 

明日への不安があるからこそ、

人は頑張れるんだ。

 

そいつのナリワイを、壊してやる」

 

男は、塾の扉を開け、中に足を踏み入れた。

 

「いらっしゃいませ…」

 

ヒカルは、いつものように優しい笑顔で男を迎えた。

 

「俺は、お前のナリワイを試してやろう」

 

男は、そう言うと、ヒカルに挑戦状を叩きつけた。

 

「俺は、明日、この町から出ていく。

 

だが、明日が怖くて仕方ない。

 

お前は、俺の不安を消すことができるか?」

 

ヒカルは、男の挑戦を受け入れた。

 

彼は、男の隣に座り、静かに話し始めた。

 

「明日の予習は、明日になれば、

いつでもできます。

 

でも、今日の予習は、

今日しかできません」

 

そして、ヒカルは「今日の予習」を始めた。

 

それは、男がこれまで生きてきた中で、

見過ごしてきた「今日」の出来事を、

一つ一つ思い出させていく作業だった。

 

「あなたが、初めて誰かに

優しくされた日のことを思い出してください。

 

それは、どんな日でしたか?」

 

男は、最初はヒカルの言葉に耳を傾けようとしなかった。

 

しかし、ヒカルの穏やかな声に導かれ、

男は、忘れていた過去の「今日」を、

少しずつ思い出していった。

 

初めて人のために何かをした日のこと。

 

 誰かの笑顔を見て、心が温かくなった日のこと。

 

 道端に咲く花を見て、美しいと感じた日のこと。

 

男の心に、これまで見過ごしてきた、

小さな喜びや、優しさの記憶が蘇ってくる。

 

それは、男の「明日への不安」を

消すことはできなかったが、

「今日」という一日が、

決して無意味なものではなかったことを、

彼に教えてくれた。

 

夜になり、男は塾を出て行った。

 

彼の表情は、どこか穏やかになっていた。

 

「…明日が怖いのは、変わらない。

 

だが…今日という日が、少しだけ、愛おしくなった」

 

男は、そうつぶやき、夜空を見上げた。

 

 

翌日、男は約束通り、ナリワイ町を後にした。

 

彼の足取りは、昨日までとは違い、どこか軽やかだった。

 

未来への不安は消えていない。

 

しかし、彼には「今日」という宝物ができた。

 

それは、未来への不安を乗り越えるための、

確かな「拠り所」となったのだ。

 

ハルトは、この一連の出来事をヌゥさんに話した。

 

「ヒカルさんのナリワイは、本当に不思議ですね。

 

未来への不安を消すのではなく、

『今』を大切にすることで、

生きる力を与えてくれるなんて」

 

ヌゥさんは、静かに頷いた。

 

「ヒカルくんのナリワイは、まさに『心の羅針盤』だよ。

 

人は、未来という大海原を航海している。

 

でも、荒波に飲まれ、方角を見失ってしまうこともある。

 

彼のナリワイは、そんな人々に、自分がどこにいるのか、

今、何をすべきなのかを教えてくれる。

 

未来を恐れず、今を生きる勇気を与えてくれるんだ」

 

ヒカルの「今日のための予習屋さん」。

 

それは、未来が怖い人々にとって、

かけがえのないナリワイとなっていた。

 

次回のお話は・・・ 

 

次回、第11話「ヌゥさんの過去帳、開かれる時」。

 

 

 

 

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それでは明日もお楽しみに!

 

 

 

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