冷たい飲み物や食べ物を口に入れると歯がしみる――。知覚過敏症は日本人の4人に1人はかかっていると言われているほど、身近な症状です。
最近ご来院される患者様もこの症状の方がとても多いように感じます。
今日は知覚過敏についてお話しします!
☆知覚過敏とは
歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい飲食物、甘いもの、風にあたった時などに歯に感じる一過性の痛みで、特にむし歯や歯の神経(歯髄)の炎症などの病変がない場合にみられる症状を言います。
☆知覚過敏の主な原因
(1) 歯周病
歯周病が進行してくると、歯茎が下がってくるため歯がしみやすくなります。
(2) 加齢による歯茎下がり
歯茎は加齢によっても少しずつ下がってきます。それに伴い知覚過敏が現れることがあります。
(3)強すぎる歯磨きのブラッシング圧
歯ブラシでのブラッシング圧が強すぎると、歯茎を傷つけ歯茎が下がりやすくなってしまいます。
(4) 歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや食いしばりをしていると、歯のかむ面が異常にすり減ってしまい、象牙質が露出してしみることがあります。
(5)酸性食品の取りすぎ
炭酸飲料をよく飲んだり、酸っぱいものをよく口にしたりする人は、その強い酸によって歯が溶けて象牙質が露出し、しみる症状が出る場合があります。
(6)虫歯の治療後
虫歯を削った後は歯の神経が過敏になっています。そのため、治療後はある程度の期間にしみる場合が多く見られます。
☆知覚過敏の治療法
知覚過敏の治療法としては、原因別に次のような方法が挙げられます。
☆歯茎下がりが原因の場合
まずは歯ブラシでゴシゴシ力任せに磨かないようにしてみましょう。優しく磨くだけで改善してくることもあります。また、知覚過敏用の歯磨き粉も効果がある場合が多いので試してみると良いでしょう。なかなか改善しない場合には、歯科医院で知覚過敏用のしみ止めの薬を塗ってもらったり、材料でコーティングしてもらったりする方法もあります。
☆歯ぎしりや食いしばりが原因の場合
自分でコントロールが不可能な歯ぎしりの場合には、歯科医院で就寝時にはめるマウスピースを作ってもらい、歯へのダメージを防ぐようにしましょう。
このように、歯がしみる原因はさまざまですが、歯がしみてすぐに「知覚過敏だ」と決めつけるのはよくありません。虫歯が原因の場合もあるので、しみる症状が出てきた場合には一度、歯科医院で診てもらうことをおすすめします。