ショボショボ読んでます
❶『しんせかい』 山下澄人著 新潮社
山下澄人氏自身が富良野塾(演劇塾)を経験したことから
書かれた小説らしいです。
この物語の中では、北海道のとある田舎に建物を建て、
自給自足で暮らしながら、先生に学びながら
俳優や脚本家を目指す塾での話である。
❷『みかづき』 森絵都著 集英社
久しぶりに長編を読んだ気がした
私塾を立ち上げた夫婦をもとに、
時代の流れとともに変わる教育環境、
その時その時の家族の関係、が描かれた小説。
第一章から八章にわたり、主人公が夫から妻、
そして孫に変わっていくので、物語を俯瞰して
見られる感じです
八章の終盤に
「教育は子どもをコントロールするためにあるんじゃない。
不条理に抗う力、たやすくコントロールされないための力を
授けるためにあるんだ。」 (本文より)
この言葉がこの小説の軸ではないかと思った。
偏差値ばかり気にする日本の教育や大人たち、
そんな教育では人間は成長しない、と思う、
…小さい声じゃ言えないけど(笑)、今の日本の官僚や政治家は
偏差値だけが高かったのでは、と疑いたくもなる
❸『長いお別れ』 中島京子著 文藝春秋
アルツハイマー型認知症を患った元中学校校長の
夫昇平を介護する妻の暘子、
3人娘がいるが、長女は一家4人でアメリカ在住、
次女も結婚し子どもがいる、三女は独身だが
フードコーディネーターとしてバリバリに
働いている、
妻の暘子は、認知症の夫を介護ヘルパーや
デイサービスなど、あらゆる協力を得て
日々奮闘する、
ゆっくり進む認知の症状だが、暘子自身も
かなりの年齢だ、
現代の「介護」という問題を、ユーモアを
交えて‘さもありなん’な物語、
私も十数年、義母の介護には泣かされた、
でも介護される身にも、きっと言い分はあるのだろう、
亡くなった方を悪く言うもんじゃない、というが
人間が小さい紀玉は今でもチョー悪口をたたいている
紀玉