「いやだいやだのスピンキー」と藤井風のあの曲の共通点 | 絵本読み聞かせ講師・上甲知子「絵本で子育て講座」出前します【小田原 湘南 横浜 静岡】

絵本読み聞かせ講師・上甲知子「絵本で子育て講座」出前します【小田原 湘南 横浜 静岡】

絵本の読み聞かせを味方につけると子育てはもっと楽しくなります
「読み聞かせなんてめんどくさい」という方も、簡単に楽しくできるときだけ続けられる「絵本で子育て」をお伝えします

 

 

第70回、第71回の絵本朝活では

こちらの絵本を読みました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやだいやだのスピンキー


ウィリアム・スタイグ作


小川悦子訳


セーラー出版

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本では1989年初版の絵本です。

 

 

朝活では

わたしが読んだあと

どんなことを感じたか

皆さんに教えていただきます。

 

このようなご感想をいただきました。

 

 

 

 

 

□好きな絵本。

子どもが小さい頃、20年くらい前に読んでた。うちのどこかにある。

スピンキーの表情が好き。

ご機嫌の取り方、ありそうな日常。

ラストが好き。

久しぶりにこの絵本に出会えてよかった。

 

 

 

□いやだスイッチが入ってしまうと、何がいやだったかわかんなくなってしまうスピンキーが可愛い。

わたしもいやだスイッチが入るときがたまにあるけど、こんな素敵なお返しできない。

木を登るとき、板を打ち付けてる、すごいよね直接的で(笑)

ラスト、おとぼけ家族で好き。

全ての画面に変な圧がないのがいい。

 

 

 

□スタイグ好き。

3年前、息子が好きで何度も読んだ。本人も時々、拗ねて深みにハマっちゃう。そして家族に伝染しちゃう。

仕事をしようと勉強し始めたところなんだけど、家族全体が拗ねていく。

わたしもたまにはピエロを呼んでほしい。

最後のお食事のシーンのピンクの絨毯と見返しのピンクが同じで、ピンクとグリーンの色彩に癒された。

ハッピーな気持ちになった。

ラスト、ほんとそう。ほんとごめん!って仲直りするんだけど、数日すると元通り。

 

 

 

 

□初めて出会った絵本。

とんちゃんが紹介するとはじからポチりたくなるけど、最近我慢してる。(増えすぎて)

スピンキーはわたしの中にずーっといる。いるけど、出さない。めっちゃ共感。

こういう風に表に出せたら、気持ちいいだろうな。

最後、どうなるの?

ハンモックどこから出てきたんだろう?

ハンモックに寝て拗ねてみたいな。

ラストの一文、「だよね」(笑)

スピンキーがご馳走を用意したのは、「え〜、まぢかよ」と思った。

自分はどうやって気持ちを切り替えたんだっけ。そういえば自然に仲直りしてるなと思い出した。

うちの家族も絶対、ちっちゃいスピンキーがいる。

一家に1冊ほしい絵本(笑)

 

 

 

□初めて出会った絵本。

最初に絵を見て、「これ絶対面白いやつだ」って思った。

これでもか、これでもか、と機嫌がなおらない、まだ続く?そのうち雨降るんじゃないかなと思っていたら「やっぱり!」

トイレどうしたんだろう?

お父さんが機嫌を取らずに仕事に行っちゃうのを影からこそっとみてるスピンキーが可愛い。

強情だな、楽しんでるのかな?

親に子どもの頃、強情だと言われてたのを思い出した。和解のきっかけが難しかったな。

スピンキーご馳走つくれるなんてすごいな。

物語に引き込まれた、楽しかった。

 

 

 

 

□初めて読んでもらった絵本。

すごい奇遇。たまたま昨日、衝動買いした絵本が2冊ともスタイグだったんです。スタイグ来てるの?

 

・みんなぼうしをかぶってた(ウィリアム・スタイグ 木坂涼訳 セーラー出版)

・ジークの魔法のハーモニカ(ウィリアム・スタイグ 木坂涼訳 セーラー出版)

メルカリで2冊1500円。衝動買いした。

 

 

 

 

 

うちの息子もそうだった。何が地雷かわからない。スピンキーもなんでここまで怒っちゃったかわからない。ギャン泣きしている子どもを見下ろして呆然としてたことを思い出した。

 

引っ込みがつかない気持ちもすごくわかる。

うちの子は、家族に対して償うようなことはなく、しれっとご機嫌がなおってたなあ。

 

思い出した絵本「あくたれラルフ」(ジャック・ガントス作 ニコール・ルーベル絵 石井 桃子訳 童話館出版)

 

 

 

 

 

□久しぶりに絵本を読んでもらって嬉しかった。

ロバのシルベスターとまほうの小石(ウィリアム・スタイグ 瀬田貞二 評論社)を思い出した。スタイグは家族愛の絵本が多い。

 

 

□スタイグ好き。「ロバのシルベスターとまほうの小石」も「ゆうかんなアイリーン」(ウィリアム・スタイグ 小川悦子訳 らんか社)も好き。

 

 

 

 

スタイグの絵本が買いにくくなっているのは、海外の版権取るのが難しいという事情があるみたい。(絵本を手に入れる裏技伝授)

 

前に読んだことあるけど、読んでもらうと新鮮。

スピンキーも可愛いけど、家族も可愛い。

 

ただ、ご機嫌取るだけじゃ、本当の機嫌は治らないんじゃないかな。

「なんで怒っているのか教えて」と本人の気持ちを探る行為があってもいいのでは。

こういうご機嫌の取り方は自己中心的かな。

 

たまたま、NHKの朝イチの特集が「反抗期」だった。

タイムリーな絵本。

スピンキーは家族に腹を立てたとしても、家で拗ねるしかない、家族はアプローチしやすい。

今はSNSがあるし、「泊めてください」と言えば泊めてくれる人がいる、外に出て行ってしまう。

今は家庭が崩壊しやすい社会。

大好きだよと言っても、家族の言ってることしか聞こえなければ信じられるかもしれないけど、SNSで安易に繋がった人に言われたら、家族を信じられないかもしれない。

誰かに何かを言われたら、素直になりたい気持ちも持っていかれちゃうかもしれない。

この絵本の時代は良き時代だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□スピンキーはいったいどこで折り合いをつけるんだろうと思いながら聞いていた。

 

 

 

□最初は、家族の立場から絵本を聞いていたけど、そのうち、スピンキーの気持ちに共感していった。

怒り。時間が解決してくれる。

 

 

 

□「お母さんでさえも」という言葉が心に残った。

「ほんとうのぼくをわかってくれるひとなんてだれひとりいない」という言葉も心に残った。スピンキーが意固地になる気持ちはよくわかる。

 

 

 

□スピンキーは何歳くらいなのかな? 小学2、3年生くらいかな。

 

これだけ怒るってすごいエネルギーのいること。

 

お父さん、そう来たか〜。ほっといてからの、長いお説教。ちゃんと「みんな だいすきなんだぞ」と付け加えるのはすごいな。

 

わたしも意地になって「ごめんね」を言えないタチなので、最初は親の気持ちだったけど、だんだんスピンキーに感情移入。

 

友だちはなにを囁いたのかなと気になってる。

 

 

 

□ピエロに扮して、みんながびっくりするようなことをして、自分の気持ちに折り合いをつけたのはすごい。

 

ラストの一文があることによって、空想のお話じゃなくて現実のお話になって、安心する。

 

 

 

□初めての絵本。

とんちゃんの読みが素敵。

小さい頃のことを思い出した。

負けず嫌いだったし謝れなかった。

スピンキーはどうやって謝るんだろう?と。

 

 

 

□最初、親の立場で、「スピンキームカつくな」と聞いていた。

 

だけど、そのうち、自分の小さい頃もスピンキーと全く同じように「だれも自分のことをわかってくれない」と1時間くらいで挫折したんだけど、拗ねて外に行ったことがあるのを思い出した。

なだめられればなだめられるほど、意固地になる。

「スピンキーわかるよ」

 

現実は絵本のような素敵な終わり方にならない。

 

でも、ラストの一文がいい。

 

心が揺さぶられた絵本。

 

 

 

□スピンキーはなんて頑固なんだろう。

今度こそ折れるかな?と思いながら聞いた。

 

お父さんが「ほっとけばいい」という気持ちもわかるが、家族はみんな優しい。

 

謝れない気持ちはすごくわかる。

時間が経てば経つほど、意固地になる。

 

美味しいものはご機嫌を取るときに有効。

夫婦喧嘩にも美味しいものは最強の薬。

 

ラストの一文、だから家族なんじゃないかな。

 

 

 

□今の子どもたちも、このくらい出せたらいいのに。

家でも遠慮している子もいる。

 

 

□翻訳の素晴らしさもあるのではないかな。

原文の絵本も読んでみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

以上、皆さんからいただいた感想でした。

 

 

 

 

 

 

そして

上甲もしゃべります。

 

 

独断と偏見とオタクと主観満載で

こんなことをしゃべりました。

 

 

 

【この絵本の出会い】

 

最初にこの絵本を知ったのは、赤木かん子さんの本でです。

 

この絵本について、かん子さんはこのように紹介しています。

 

絵本子どもの本総解説

赤木かん子


自由国民社

(第*版かが不明)


 

 

 

 



(以下引用)



ウィリアム・スタイグが何歳でこれを書いたかを考えたら、彼のエネルギーって、本当にそら恐ろしいものがあったと思うな。

(ちなみにお教えしますと、これを描いた時彼は八十歳でした)


 


(中略)



 

これをみて、なんて甘いんだ…って感じる人は、子育てにはむかない人だよ。


 

でも、当然ものごとには限度ってもんがありますから

”スピンキーのうちの人たちは、とにかく一生懸命やったのです”

という、この不朽の名セリフが出てくる、というわけ。


 

これは子どもたちの”夢”です。

 

残念ながらここまで”わかる”大人はそういませんけど、ね。



 

(引用ここまで)



 

 

 

 

【80歳のスタイグの描く絵】

 

確かに、線もヨボヨボしてるところもあるかもしれず、80歳っぽい絵ではあるかもしれません。

 

けれども、決して、子どもの生きようとする力を損なわない、と感じました。

 

80歳にして、スピンキー的子どもをこんな風に描くんだ。

 

拗ねた子どものリアルな表情や仕草がこんなにも巧みに描かれている。

 

 

最初、スピンキーがなんで怒っているかは、言葉がなく、絵で始まってるんですよね。

 

お姉さんに名前のことでからかわれて

 

次にお兄さんに「フィラデルフィアはベルギーの首都じゃないよ、バカじゃないの」とからかわれてるんじゃないか。

 

そして、お父さんにトドメを刺され、

これでスピンキーの怒りのスイッチが入ってしまった。

 

 

一瞬、スピンキーはおじさんっぽい表情になる。

 

でも、拗ねた子どもってこういう表情するなあ。

 

 

 

お兄さんがスピンキーを指で触るのがすごく癇に障るから払いのける感じの絵。

 

怒ってますアピール、手をだらんとしちゃってる、サーカスが横を行列してるのに見向きもしない、スピンキーが拗ねるドツボにハマっていくようすが、わかるわかると納得できる。

 

木に板を直接的に打ち付けて木に登るのも、前から板を打ち付けてあったのか、それとも怒りに任せてスピンキーがダダダと打ち付けたのかわからないけど、なんか可笑しい。

 

 

わたし的にツボなのがここ。

 

ピエロで思わず笑ってしまって、その向こうでお父さんがニヤついているお父さんを見て、余計こじらせちゃう、

 

あー、この場面を描くのか〜と。

 

 

絵の表現の説得力の強さ。

 

 

80歳のスタイグさんが、子どものムカムカする気持ち、腹立たしい気持ちをこんなふうに表現できるってすごい。

 

不機嫌になってしまった自分の気持ちをどうやって切り替えたらいいかわからない、あるあるをよく絵本にしたなあ。

 

 

犬と猫はいい距離感でそばにいる。たしなめず、ご機嫌も取らず、ただそばにいる。

 

 

 

 

わたし的にここもツボ。

 

お父さんが呼び寄せたであろうおばあさんを

 

「どうでもいいひとなのでした」

 

と言っちゃうところ(笑)

 

 

多分、スピンキーにとって、「どうでもいいひと」は、おばあさんと友だちなんじゃないかな、と思いました。

 

スピンキーが本当にわかってほしいのは、まず「家族」なのだろう、と。

 

 

 

 

 

【タイトルの訳】

 

「いやだいやだのスピンキー」というタイトルの訳がちょっとなあ。

 

「いやだいやだ」って2歳、3歳くらいの子が言いますよね。

 

スピンキーの拗ね方はそんな感じじゃないように思いました。

 

わたしだったら、

 

「むっつりスピンキー」とか

 

「すねすねスピンキー」とか

 

「ふきげんなスピンキー」とか…。

 

 

なんかもっとぴったりのタイトルがなかったのかなあとちょっと思いました。

(ごめんなさい)

 

 

 

 

 

【藤井風の「やば。」】

 

藤井風のアルバムの中に「やば。」っていう曲があって、その曲とこの絵本がめっちゃマッチしてるんです。

 

 

 

 

 

 

 

わたしの主観でしかないんですけどね。

 

 

 

「やば。」の歌詞を以下引用します。

 

 

 

 

気づいてほしい 認めてほしい

それだけの行為だった

返してほしい 愛してほしい

そんなの愛じゃなかった

 

求めて 探して 見つけて 失ったけど

追いかけ続ける あの絵空事

 

(中略)

 

やば、やば、やば、やば。

傷付けないでよ

裏切らないでよ

愛した日々は確かだっけ?

 

もうそれ以上何も言わないで

傷付けないから

裏切らないから

 

(中略)

 

今さら何言ったって

既には手遅れでって

言われないと思ってたでしょ

同じことが何度も

ただ繰り返されるだろうと

安い夢を生きてたでしょ

 

一緒に行こうか

誰も見捨てたりしないから

君が望むまで いつまでも

いつまでも ああ

 

(後略)

 

(引用ここまで)

 

 

 

 

藤井風の「やば」

https://youtu.be/7xbokCesviM

 

 

 

 

ね。ね。これ!

 

スピンキーじゃん!?

 

 

 

この歌の世界観、

スピンキーそのものじゃん?

 

 

 

愛してほしいんですよ、

気づいてほしい、

認めてほしい、

わかってほしい、

今更なに言ったって手遅れで、

でも、それが繰り返されるんですよ、家族だから。

 

スピンキーは一心に家族に訴えている。

 

 

誰かに拗ねることができるって、つまり、自分は愛されてるってわかってる。

 

愛されてるってわかってるから、拗ねることができる。

 

僕を見てっていう茶番みたいなもんで。

 

長くは続きませんでしたって、そりゃそうだよね、

だって家族だってそれぞれの時間を生きているんだもんね。

 

スピンキーの気持ちを大切に思うときもあれば、ないがしろになっちゃうときもあるよね、だって家族だから。

 

絵空事じゃない終わり方がいい。

 

 

 

 

 

【その他】

 

かん子さんが言ったように、不朽の名台詞なんですよね。

 

この絵本の

 

”スピンキーのうちの人たちは、とにかく一生懸命やったのです”

 

この部分を持ち出して、不朽の名台詞っていうかん子さんも好きだなあ。

 

 

かん子さんネタや

わたしがお蔵入りしているとある絵本講座を聞きたい聞きたいネタなどで

アフタートークも盛り上がりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回以降の朝活は、お申し込み受付開始日時を設定してます。

 

直前にならないと予定がはっきりしない人もいらっしゃるかと思いまして。

 

 

 

 

 

 

 

とんちゃんのオンライン朝活

 

日程など詳しくはこちらをクリック

 

 

 

 

上甲知子が発信しているもの

発信しているもの

 

 

 

にほんブログ村 子育てブログ 子供への読み聞かせへ
にほんブログ村