時代の流れに乗らない 羽田の水舟 | 絵本読み聞かせ講師・上甲知子「絵本で子育て講座」出前します【小田原 湘南 横浜 静岡】

絵本読み聞かせ講師・上甲知子「絵本で子育て講座」出前します【小田原 湘南 横浜 静岡】

絵本の読み聞かせを味方につけると子育てはもっと楽しくなります
「読み聞かせなんてめんどくさい」という方も、簡単に楽しくできるときだけ続けられる「絵本で子育て」をお伝えします

 

 

 

羽田の水舟

野村昇司作

阿部公洋絵

ほるぷ出版

 

 

 

今の羽田空港があるあたりの

大正初期の時代の物語。

 

我が家に19年前からある絵本ですが

この絵本を

我が子たちが「読んで」となんども持ってきた

という記憶はありません。

 

わたし自身、そんなに何回も何回も繰り返し読んだ絵本

というわけではありません。

 

けれどもなぜか

心に沁みる物語だなあと

読むたびに、ジンとします。

 

かつて

羽田の村には、水屋という仕事がありました。

 

水道もなく

井戸を掘っても塩水で、飲み水にはならない。

 

だから、川を遡って上流の方から水を汲んできて売る、という仕事が必要とされていました。

 

ため吉は、13歳から水屋に奉公に出ます。

 

舟に渡した板の上で

左右に舟を揺らして

がぶりと水を汲み混むそうです。

 

下手して落ちてしまうと

川の水が濁るので怒られます。

 

冬は冷たかったでしょうに。

 

ため吉はただただ、村の人に喜んでもらうため

そして生きるため、生活するため、家族を養うため、水屋の仕事を続けます。

 

そのうち、水道が引かれることになり、

水屋の仕事は必要とされなくなります。

 

どんどん、水屋の仕事を辞めていく中で

ため吉は最後のたった1軒になるまで、やり遂げます。

 

そして、

ラスト、水舟の艫綱をほどき

「おわった。

わしの しごとも おわった。」

と言うのです。

 

わたしは

このため吉の生き様が

嫌いではありません。

 

もしかしたら、

さっさと新しい仕事を探して

その仕事に従事する人の方が

要領がいいのかもしれません。

 

時代の流れを読む、とか

効率的に、とか

もっと便利に、とか

そのほうが家族は喜ぶのかもしれません。

 

でも、ここまで

自分が納得するまで

やりきる。

まっとうする。

 

そのため吉を

わたしはかっこいいと思います。

 

自分ができるかと言われたら

それはわからないですけれど。














 

 

 

 

 

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