一部では日本防衛の為に在日米軍が存在すると信じられている。
先の大戦の頃の如く、航空機による爆撃が主体の時代ならばその理屈も通ったであろう。沖縄やサイパンに米軍が侵攻したのは日本本土攻略のための足掛かりであった。現に東京大空襲を始めとする本土への空襲の拠点になったのはグアムやサイパン等、陥落したマリアナ諸島である。広島に原爆を落としたB29エノラ・ゲイはテニアン島から飛来、長崎に来たB29ボックスカーは原爆投下後、沖縄の読谷飛行場に補給の為に立ち寄っている。
更に沖縄戦自体が本土侵攻を阻止するための時間稼ぎ、捨て石であった面もある。
未だこの状況ならば、沖縄に強力な軍隊が駐留するのにも理はある。ところが今は核弾頭を搭載したミサイルの時代である。巷では「中国の脅威」が囁かれているが、ならば人民解放軍が沖縄を占拠し、日本本土攻略を伺うことなど想像出来るか?
沖縄の在日米軍基地は米国の極東戦略の為に存在する。第二次世界大戦以降、「正義」「民主主義」「人権」あるいは国益の為に最も多くの戦争を繰返した米国に沖縄の基地は多大な貢献をした。本来なら米国から感謝されなければならない。それを「わが国の脅威に対応するため」と言い換え、税金を費やし、多くの反対の声が上がる沖縄に無理矢理新基地の建設を強行する現状は間違っているのだ。
今、北朝鮮問題が日々報じられている。しかし、北のミサイルの脅威に対峙するため、沖縄に基地が存在すべき理由がどれ程あるのか? 付け加えれば朝鮮半島有事における在日米軍の最前線基地は強襲揚陸艦隊の母港である佐世保であり、後方司令部となるのは東京の横田である。
このような現実、欺瞞、沖縄に過度の負担を求める理不尽を訴え、先日4月16日、私達有志一同は官邸前で抗議の声を上げた。
全憂会議・山口祐二郎議長
私、芝田
(追記)只今発売中の一水会機関紙『レコンキスタ』4月号紙上にて、先月の月例・在沖米軍新基地建設反対抗議街宣を始めとした対米自立活動に関する記事を書かせて頂きました。