どうも、はちごろうです。


このコロナ禍で配信サイトを利用することが一般化しました。
そしてそろそろ米アカデミー賞も近づいて、
候補に上ってる最新サイトのオリジナル作品を観ることも多いんですが。


そこで地味に問題だなと思うのが公式直々のあらすじネタバレ問題。
いわゆる作品のページをクリックして再生ボタンを押す前に、
ページに書かれているあらすじで説明しすぎてしまってるわけです。

例えば2020年の短編アニメ部門を受賞した
「愛してると言っておくね」って作品があったんだけど、
これはある夫婦に起きた悲劇を描く10分程の作品で。
その悲劇が何なのかは作品の終盤で明らかになって、
そこで米国社会で長年問題になっていることが浮き彫りになる構成になってる。
ところがあらすじの段階でその悲劇の正体を説明しちゃってるから
いざ作中でその事実が明らかになっても驚かないわけです。
もう、興ざめもいいところでね。


で、実は前回のブログで紹介した小説も
出版社の作品解説で思いっきりネタバレしちゃってるんですね。
確かに作品のテーマを伝えるためには必要なのかもしれないけど、
それを知らないで読んだ方が明らかに面白いんですよ。
(ただ、個人的には内容全体に対して全く腑に落ちなかったんですが)


確かに、作品を知ってもらうためにはある程度の内容を説明する必要がある。
でもあまり開示しすぎると読む楽しみがなくなってしまうのも事実。
そのバランスがとても難しいのもわかるんだけど。


そんなことを考えているとき、こんなニュースが流れてきて。

 

 

 


それは来週末公開のハリウッド映画「ザ・バットマン」で
水害を連想するシーンがあるとの警告がなされたことに対する賛否。
来週は東日本大震災から11年目の節目を迎えるわけですが、
当時の被災者の方々の津波被害、また津波の映像を繰り返し見たことで
トラウマを抱えている人は相当数いるわけです。
そうした過去の被害を想起する展開があることを
公式が事前に公表することに対して「当然」とする意見がある一方、
「ネタバレなのではないか?」と批判する声も上がっているという。

これはこと水害だけにとどまらず、例えば児童虐待だったり性暴力だったり、
そうした犯罪の被害者が当時のつらい記憶を思い出してしまう可能性のある場合でも、
製作者側が事前に警告の形で内容を開示することもあるわけです。


映画も本も演劇もそうですが、
個人的には出来るだけ内容を知らずに触れた方が絶対に楽しいと思う。
そして製作者側も出来るだけまっさらな状態で接してほしいと思ってるだろう。
ただ、同時にたいていの製作者側は観客に観て不快になってほしくないとも思ってるし
(「不快にさせること」が目的である場合は別)、
そのためにはある程度の内容を公表することはやむを得ないとも思うわけです。


で、実は件の本にもそうした読む人によってトラウマを喚起させる描写があって、
これもまた他人に勧めづらい理由にもなっているんだけど・・・