どうも、はちごろうです。



年末にある小説を読んだ。


若い頃はよく本を読んだものだけど最近は腰を落ち着けて読む時間が作れず、
買ってはみたものの部屋の隅に積みあがっていく一方だった。
しかし昨年、ラジオリスナー仲間がリモートで読書会を始め、
それをきっかけに昨年は小説を何冊か買って読んた。
そして昨年末、SNS上に流れてきた小説の広告が引っ掛かり、
映画を観る予習のためとか、ラジオ番組の存続のためとかではなく、
「自分が読みたい」という純粋な理由で小説を買った。

こういう動機で本を手に取るのはたぶん20年以上ぶりである。


実は読み終わってから数か月、ずーっとその本のことを思い出している。

作品が素晴らしかったから、というわけではない。
確かにこの本をきっかけにいろいろなことを考えさせられた。
この本に引っ掛かってるのはその内容が腑に落ちなかったからだ。

しかし、この作品は小説誌で新人賞を受賞し、
大手の本屋さんでも平積みになってたくらいなのでそこそこ売れてたらしいし、
ネットで検索するとそれなりに高評価だったりする。
だからいま、この本を読んだ人と話がしてみたいとも思ってる。


ただ、だからといって他人に勧める気にはなれない。
なにしろ前述したように自分自身が作品について納得していないのである。
そんな作品を他人に勧めるのは気が引ける。
「これ、まずかったんだけど食ってみ」と他人に勧めるような
無神経さは持ち合わせていないのだ。
だからこそ自分がそれをするわけにはいかない。

そもそもその本の内容自体、
あらすじも含めてネタバレしない方がいい類の作品。
全くの素の状態から手に取って読み始めた方が
その設定についてより驚くことができる作品なんですよね。
仮にここで作品名を出したとする。
すると興味を持った人はすぐ検索をかけてしまうと思うんだけど、
そこであらすじを読まれる面白さが大幅に減ってしまう。
そういう作品でもあるから勧めづらいんですよねぇ・・・



他人の感想を知りたい、でも安易に勧めるのは気が引ける。
なんとも矛盾した感想を抱えることになったあの小説。

ホント、周りで誰か読んでないかしら?