どうも、はちごろうです。

 

 

 

この夏は慢性的に体調が悪くて。

主に熱中症と自律神経の乱れだったんですが、

だから新作を観ようって気分になかなかなれなくて。

結局「水曜どうでしょう」ばっかり見てましたね。

疲れてるときにはちょうどいいんですよ、あれは。

あそこまで作りが緩いとじっくり見なくてもいい。

環境映像としてダラダラ流してる感じでした。

途中から見ても全然問題ないですしね。

でもこれがドラマや映画の場合はそうはいかない。

やっぱり最初から順序立てて見ないといけないわけでして。

では、映画の話。

 

 

 

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 」
 

 

 




DCコミックスの人気ヴィラン(悪役)たちがチームを結成。
より凶悪な悪と戦う姿を描くアクション映画。
監督は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン。
出演はマーゴット・ロビー、イドリス・エルバ、ジョン・シナ、ヴィオラ・デイヴィス。

あらすじ

中米の小国コルト・マルテーゼで軍事クーデターが発生。
独裁政権は崩壊、エレラ大統領とその一家はは処刑される。
反米思想を持つルナ新大統領とスアレス長官が実権を握る。
これに対し米国はアマンダ・ウォラーを司令官としたチーム
「タスクフォースX(別名スーサイド・スクワッド)」を結成。
収監中の凶悪犯に減刑と引き換えに極秘任務に就かせる。
選ばれたのは元精神科医のハーレイ・クイン、天才ハッカーのサバント、
ブーメラン使いのキャプテン・ブーメラン、黒い鎧を着込むブラックガード、
自らの腕を切り離して自在に操るT.D.K.、槍を自在に操るジャベリン、
そして見た目がイタチに似た連続殺人犯ウィーゼル。
彼らはリック・フラッグ大佐の陣頭指揮の下、マルテーゼの海岸に上陸する。
しかしブラックガードが事前に大統領側に情報を漏らしており、
差し向けた兵士達に待ち伏せされ、隊はほぼ壊滅状態となる。
ところが、ウォラーはもう一隊、別の凶悪犯でチームを作り、
別の海岸から上陸作戦を決行していた。
メンバーは犯罪を犯した娘のためにリーダーを引き受けたブラッドスポート、
特殊な機械で大量のネズミを操るラットキャッチャー2、
ブラッドスポートと同じ射撃の名手で彼にライバル心を燃やすピースメーカー、
母親からウイルス実験の被験者にされた結果、
身体から水玉を出せるようになったポルカドットマン、
そしてサメと人間のハイブリッド、キング・シャーク。
彼らの任務は、国内にあるナチス時代からある研究施設ヨトゥンヘイムを破壊し、
大統領達が推し進める「スターフィッシュ計画」を殲滅させることだった。

 

 

 

「宿敵」って、誰の?



DCコミックスのヒーローと敵対する悪役達が、
チームを組んでさらなる巨悪と戦う人気コミックの実写化、なんですが・・・。

改めて説明すると、アメリカンコミックの2大出版社マーベルとDC。
マーベルはアイアンマンとかキャプテン・アメリカ、スパイダーマンで有名。
そしてDCはスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンなどが人気。
で、アメコミ映画で最初に世界的なヒットを記録したのが
78年のリチャード・ドナー監督作品「スーパーマン」。
そして次に大ヒットしたのが89年のティム・バートン監督作「バットマン」。
つまりアメコミ映画というと、どちらかといえばDCの方が先行してたんですね。
ところが2000年代に入ってからサム・ライミ版の「スパイダーマン」がヒット。
さらに2008年の「アイアンマン」公開から続いたMCUの成功によって、
アメコミ=マーベルという図式が完成してしまった感があるわけです。
もちろんね、この間にもクリストファー・ノーラン監督による
いわゆる「ダークナイト」3部作の成功なんかもあるんですが、
やっぱりMCUの成功が「アメコミの代表格」の座を
DCからマーベルに譲ってしまった感は否めないわけで。
またMCUの成功に対抗しようとして
DCも独自のユニバースをやろうとしたんだけど、
マーベルが各キャラクターの単独映画をひとつずつ丁寧に作って
観客にその存在を認知させていった一方、
DCはその努力を怠っていきなり「ジャスティス・リーグ」作ったもんだから、
諸々諸事情があったとはいえ、それを差し引いても微妙な評価になっちゃったし。
(4時間版が後に発表されてるけど、おそらくファン以外は楽しめなさそうだし)


そんな老舗DCの勘違いはいつ治るんだろうなぁと思ってるんだけど、
今回の作品でもその傾向は全然治ってなくてね。
まず、前述したようにそもそもDCのヒーローが
彼らが思うほど世間に認知されてないわけですよ、いま。
だから本作のようなヒーローと対峙する悪役側にスポットを当てても
「で、誰?」ってなっちゃうわけです。
次に、実はこのスーサイド・スクワッド、5年前に一度映画化されてるんですね。
ウィル・スミスとかジャレット・レトとか、スターもたくさん共演してて。
でもこの作品で唯一と言っていいほどの収穫は
マーゴット・ロビーの演じたハーレイ・クインだけで、
馴染みのないキャラクターたちが戦ってるのを観ても全然乗れなかったわけですよ。
で、今回再び映画化されることが発表され、
主要キャラクターのキャスティングも一部変更されてる。
特にメインキャラの一人であるブラッドスポート役が
ウィル・スミスからイドリス・エルバに変更され、
さらには監督が前作のデヴィッド・エアーからジェームズ・ガンに変更された。
その結果、この作品が「リメイク」なのか「続編」なのか
パッと見よくわからないんですよ。
内容的には続編っぽいんですけど、元々馴染みがないキャラなのに
演じてる俳優が所々変更されちゃってほぼ初めまして状態。
にもかかわらず話自体は前作と地続きなんだからさらに内容が入ってこないんですよ。


ただ、話の展開自体はそんなに悪くはないんですよね。
他人のことなんか関係ない、己の欲望に忠実に生きている凶悪犯達が
それぞれチームを組むことになるわけなんですが、
そうなるとどうしても強い者が仕切ることになるわけですよ。
それこそブラッドスポートとかピースメーカーとかね。
でも最終的にラスボスを倒すのはそうした強い個人ではなく、
どちらかというと非力な、単体では何も出来ないちっぽけなものたち。
そんな弱きものたちが団結することによって事を成していくわけです。

また前作のときにも感じたことなんですけど、
スクワッドのメンバーが多すぎてそれぞれに見せ場を作れないし、
初見の観客にも全員を覚える事が困難だったんだけど、
今回は序盤、というかタイトルが出る前に
メンバーの半数以上を上陸作戦の失敗で「退場」させるので、
スクワッドのメンバーは実質5,6人なんですよ。
戦隊ヒーローでも5人までならどうにか区別が出来るわけだし、
このいい意味での「間引き」は観客としてはありがたかったです。


ここ最近、DCはワンダーウーマンとかアクアマンとかシャザムとか、
ちゃんと1作目からキャラクターを語り直してきてたのを好感してたんだけど、
やっぱり我慢できなかったのか、またこういうの作っちゃうのは何なんだろう?
スピンオフの前にまずはオリジナルをしっかり作って欲しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[2021年9月12日 グランドシネマサンシャイン 7番スクリーン]

 

 

 

 

 

※とりあえず関連作品を