どうも、はちごろうです。

 

 

 

ハリウッドの大作映画はなかなか公開時期が決まりませんが、

その間を縫って、アメリカ以外の外国映画や邦画が元気で。

だから鑑賞する作品の数自体には困ってないのですが、

スケジュール管理がままならないのが難点です。

では、映画の話。

 

 


「オクトパスの神秘:海の賢者は語る」

 

 

 



本年度米アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート。
心を病んだ南アフリカの映像カメラマンが
故郷の浜で一匹のタコと出会ったことで立ち直っていく姿を描く。

あらすじ

南アフリカ、西ケープ。通称「嵐の岬」。
18年前、映像カメラマンのクレイグ・フォスターは心労から不眠症になり、
撮影機材を視界に入れることさえ出来ない日々が続いた。
そんな現状を変えるため彼は子供時代に過ごした岬近くの海に入り、
心を病む2年前に撮影で訪れたカラハリ砂漠で出会った先住民族のように
自然の中に身を置くことを思いつく。
冷たい荒波の中、泳ぐことすらままならなかったが、
次第にクレイグは心身の安定を取り戻していく。
1年後、彼は定期的に自宅近くの海に潜り、
背の高いケルプの森の中を探索する日々を送っていた。
そんなある日、彼は奇妙な光景を目撃する。
それは身体中に貝殻を張り付けて固まる一匹のタコの姿だった。
そのタコに魅入られたクレイグは毎日のように海に潜り、
そのタコの生態を追うことを決めるのだった。

 

 

 

愛した女はタコだった



オスカーノミネーション前に駄話会のメンバーtoriさんから勧められてて、
一応マイリストに入れてはいたんですけど放置してた一本で。
toriさんのご友人曰く「カメラマンがタコと不倫する話」。
確かに間違ってないんですよ、心を病んだカメラマンが
メスのタコと文字通り「触れあう」ことで癒やされていく話なので。

確かにクレイグが夢中になるタコはメスなんですけど、
その関係性は場面ごとに変わっていくんですね。
最初は観察者と対象者という関係だったのが、
徐々に友人になったり戦友になったり師弟になったり。
もちろん恋愛感情に近い状態にもなるんだけど、
子を見つめる親の心境にも、また逆に親を見つめる子の心境にもなる.
そして最後には彼女の死まで看取ることになるわけで。

一方、クレイグはタコに思い入れを深めていくんだけど、
それでもカメラマンとしての矜持は忘れてないんですね。
タコの住む地域には当然天敵のサメがいて、
常に彼女はサメたちに食べられる危険を抱えているわけです。
そして作中でもサメに襲われる場面が出てくるんだけど、
そこで彼がサメを追っ払うことは自然の摂理に反することでもあり、
助けたいけれど手出しはできない、という葛藤も抱えていくというね。

確かに恋愛?要素もあることにはあるんだけど、
どちらかというと自然について、人生について、
多くのことを考えるきっかけになる哲学的な話でした。
もちろん海の様子を眺めているだけでも楽しい。
季節の変わり目で疲れてる人にはちょうどいい作品かなと。

 

 

 

[2021年3月21日 Netflix]

 

 

 

 

 

※実は海洋ドキュメンタリーって大好きなんですよね