どうも、はちごろうです。

 

 

今回はちょっと実験で深夜0時にアップしてみようかなと。

ま、大した意味はないんですけどね。

さて、例のアニメ映画が月曜封切りながらも大ヒットだそうで。

私も世代ドンピシャなので近いうちに観ようと思ってます。

とりあえず鑑賞2時間前から水分を控え、

鑑賞前にはトイレに行って・・・って子供みたいですねw

では、映画の話。

 

 

 

「TIME」

 

 

 

 

 

 

 

昨年のサンダンス映画祭で監督賞を受賞。現在、各映画賞を総なめ。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門最有力の一本。
収監された夫の釈放を20年にわたり訴え続けた黒人女性の物語。

あらすじ

黒人女性のシビル・バーナデッド・フォックスは
高校時代の恋人ロバート・リチャードソンと18歳で結婚。
4人の子供を育てながらヒップホップ関係のショップを営んでいた。
1997年9月16日。
店の資金繰りが悪くなった二人は夫の甥と共謀し銀行強盗を決行、逮捕される。
当時銀行強盗の刑罰は懲役5年から99年の不定期刑だった。
そして1999年6月15日。ロバートは保護観察も仮釈放もない、
懲役60年の実刑判決を言い渡され、ルイジアナ州刑務所に収監される。
また、運転手役だったシビルも懲役12年の判決を受けた。
その時点で彼女は双子を妊娠中だった。
出産した子供を含めた6人の子供を母親に預け、
シビルは3年半後に出所。自動車ディーラーとして成功を収め、
家族の協力もあって6人の子供を立派に育て上げる一方、
「フォックス・リッチ」という名前で各地の教会を周り、
黒人犯罪者に対する量刑差別を解消するための啓蒙活動を続けていた。

 

 

 

時間は多くを奪い、そして与えもする



最近はもう、アカデミー賞レース関連の作品を重点的に観てるんですが、
本作は長編ドキュメンタリー部門の最有力の1本となってるということで。

法律に違反する行為をすれば処罰されるのは
法治国家の元に生きる我々にとっては当然のことですが、
そこに不平等があれば人々は法を守る意欲を無くす。
だから裁く側には犯罪者に対して思想信条を挟まず、
あくまで法律に則って裁きを下さなければならない。
刑の軽重も同様で、裁判官の気分次第で決められた場合もまた
国民の遵法意識を損なうきっかけになってしまうわけです。

本作の主人公であるシビルと夫のリチャードは、
営業していた店の資金繰り悪化を理由に銀行強盗を犯して逮捕され、
シビルは懲役12年、リチャードは懲役60年の刑を言い渡される。
もちろん犯罪を犯したのは事実であるわけだから
その罪に対する罰は受けなければいけない。
ただ、いくらなんでも初犯の強盗犯としては懲役60年という、
もはや終身刑と変わらない刑を言い渡されるのは明らかに重すぎる。
しかも仮釈放も執行猶予も認められないわけだから。
そこには被告の人種を理由にした恣意的な法の運用、
法の不平等があることは端から見ても容易に想像出来る。
で、シビルも懲役12年の判決を受ける。
判決が出たとき、彼女は双子を妊娠中で、
服役中は自分の母親に産んだ子供たちを預けていたんですが。
結局3年半で仮釈放になって出所。
それでも実行犯の中の運転手役としてはかなり重すぎるわけです。

で、彼女たち一家は事あるごとにホームビデオを撮っていまして。
犯罪を犯す前の幸せな家族の日常から、資金繰りが悪化した店のこと、
そして有罪判決が決まったあとの心境まで全部撮ってあって。
このときの映像と、いまの映像とが交互に映し出されていって、
またそこにシビルだけじゃない、子供たちのインタビューもあって、
両親について、自分の人生について語っていくんですけどね。
またこの子供たちの映像は現在のものなので、
スマホで高画質に撮影されてるんですね。
この画質の対比が20年という時間の大きさを物語っているんですけど。


ただこの作品、非常に詩的に編集されているというか、
話の流れが散発的なんですね。だから結構内容を把握しづらい。
特に本作の肝であるシビル達が起こした銀行強盗、
これがあまり詳しく語られないんですよ。
だから実際問題どのくらい不当な判決だったのかが正直腑に落ちない。
そこは最低限やって欲しかったなと思います。




[2021年1月31日 Amazonプライムビデオ]

 

 

 

 

 

※黒人への量刑差別を扱った作品というと