どうも、はちごろうです。

 

 

 

このブログでもって劇場再開前の映画の感想もゼロ。

あとは公開直後の作品がメインになります。

とはいえ、実はまだ先週観た作品の感想をアップしてないんですけどね。

では、早速映画の話。

 

 

 


「ユニコーン・ストア」

 

 

 



「キャプテン・マーベル」のブリー・ラーソンが監督にも挑戦した主演作。
怪しげなDMに誘われて訪れた店で、
子供の頃から憧れだったユニコーンを手に入れようと奮闘する女性の物語。

あらすじ

幼い頃から芸術家志望だった女性キット。
しかし30歳を目前にしてなかなか作品は評価されず、
ついに彼女は人材派遣会社に登録することに。
広告代理店で働くことになったキットだったが、
その頃から彼女の元に怪しげなDMが何度も届くようになる。
不安になりながらもその店「ザ・ストア」に出向いたキットは、
そこに現れたセールスマンからユニコーンの購入を勧められる。
子供の頃からユニコーンに強い憧れのあったキットだったが、
実在しないユニコーンを販売するという彼の言葉を信じられず、
その場を後にしようとした彼女に対し、
セールスマンはユニコーンの毛や角を手に取らせる。
その感触からユニコーンの存在を信じ始めたキットは、
ユニコーンのふさわしい生活を手に入れるために奔走するのだった。



結局「ユニコーン」は何を指すのか?



「ルーム」でアカデミー賞を受賞し、「キャプテン・マーベル」にも出演。

いまハリウッドでも大注目の女優ブリー・ラーソンが監督に挑戦した一本なんですが、

なんかこう、ちょっと何言ってるか微妙な作品で。

 

主人公のキットは幼い頃から絵を描くのが大好きで、

それが高じて芸術家として成功することを夢見てて。

でも自分が自信を持って作成した作品は美大で否定され続け、

ついに夢を諦めて広告代理店に就職を決めるんですね。

でもその頃から怪しげなDMが届くようになるんですけど、

そこで彼女はユニコーンを売るという男に出会うんですね。

 

で、この「ユニコーン」というのはいろんな考え方が出来るんでしょうけど、

漠然と説明すると主人公が「手に入れたいと思った概念」を具現化したものというか。

例えばそれは「大人としての自信」であったり、「思った人生」「勝ち組」「親友」など、

人によっていろんな解釈が出来るんでしょうけど。

でもこのいろんな解釈が出来るからこそ飲み込みづらくなって。


私は最初、この「ユニコーン」を彼女の「表現欲求」だと解釈したんですよ。
親に愛され、自分の発想をそのまま自由に表現できていた自分。
誰に批判されることもなく、心のままに表現欲求を発散していたような。
でも年齢を重ねると、次第にそんなことも言っていられなくなるわけですよ。
表現する自由を得るためには、表現し続けるためには
どうしたって他人からの評価を聞く必要があるし。
そうして次第に自分らしさが削られていってしまい、
自分の中の「ユニコーン」はどこかに行ってしまうわけです。


で、男が言うには、そのためには生活態度を変えろと迫るわけです。

ユニコーンを迎え入れるために住む小屋を確保するだけでなく、

ネガティブな感情を嫌うからキット自身が「愛」で満たされろと。

つまり周囲の人間と友好な関係を築けと言うわけです。


これ、荒唐無稽な展開のようでいて

実は表現を志す者には必要なことなんでしょうね。
「小屋」というのは物理的な住処そのものの意味ばかりではなく、
自分の中にある「なりたい自分」を守り、育てるための空間のことで。
そしてその空間を作るには周囲の人間を受け入れることが必要で、
さらにその前段階として、まず自分で自分を認めることが出来なければ、

ユニコーンは手に入れることが出来ないよ、みたいなね。


ただ、言いたいことはなんとなくわかるんだけど、

作中で彼女の中の「ユニコーン」がなんなのか、結構ブレるんですよ。

最初は「人生の勝者」のメタファーだったんだろうけど、
途中から「成熟した大人」のメタファーになり、

最終的には「親友」のメタファーになってたりするんですよ。

つまり主人公が途中で何を求めているのかわからなくなってくるので、

観終わった後に「結局、これでよかったのか?」って感じになっちゃって。


「親友が出来るような成熟した大人になれば人生の勝者である」

って意味なんでしょうか?なんだかよくわからなかったです。



[2020年6月28日 Netflix]