どうも、はちごろうです。

 

 

 

映画界は明日公開の劇場版「鬼滅の刃」が話題で。

なんでも全国のシネコンで1日あたりの上映回数が尋常じゃないことに。

ハリウッド大作が軒並み上映延期になってる影響もあるんですが、

下手な過疎地のバスの本数よりも多いなどと言われる始末。

しかもまた結構座席予約が埋まってるんですよね。

おそらく週末のランキングは歴代記録を更新すると思いますが、

私はそこまでの思い入れはないので

別の作品でも観に行こうかと思ってます。

では、映画の話。

 

 


「ラストツアー」

 

 

 




70年代に活躍した人気コメディアン、チェビー・チェイスと
「未知との遭遇」の名優リチャード・ドレイファスが共演したコメディドラマ。

あらすじ

かつて芸能マネージャーとして数々のコメディアンをスターにしたアル。
彼もすでに老人となり、孫のジャーニーの願いで老人ホームに入ることに。
金銭的にも余裕があったアルが入所したホームは設備も豊富で快適だったが、
まだまだマネージャーとして働けると思っていた彼にとっては、
他の入所者が頻繁に救急車で運ばれていく姿を見送りながら、
何もせず老いていくのは我慢が出来なかった。
そんな思いをアルは先に入所していた老人バディに吐露する。
彼はかつてアルが初めて手がけたコメディアンで、
当時の人気番組「エド・サリヴァン・ショー」にもお呼びが掛かるなど、
将来を嘱望されていた存在だったが、ある日突然引退。
そのまま医師として人生を送っていたのだった。
そんなバディにアルはコメディアンとして復帰することを提案。
ラスベガスからNYまでの全米ツアーを計画するのだった。



今回はおじさんの昔話になります



あのチェビー・チェイスとリチャード・ドレイファス共演のコメディ、
・・・・・って言われても若い人にはわかんないと思いますが。

まずチェビー・チェイスってどんな人かというと、
いまでも放送中のアメリカの人気コメディ番組
「サタデーナイト・ライブ」の初代レギュラー。

サタデーナイト・ライブは1975年にスタート。

何度も出演者を入れ替えながら現在でも続く番組で、

ここから多くのスターが出てきたわけですよ。

例えばジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、ビル・マーレイ、

エディ・マーフィー、スティーブ・マーティン、マーティン・ショート、

トム・ハンクス、マイク・マイヤーズ、アダム・サンドラー、

ウィル・フェレル、ティナ・フェイ、マーヤ・ルドルフ、クリステン・ウィグ

・・・・・といったように数々の人気コメディアンがここ出身。

(あ、トム・ハンクスっていまじゃ名優の枠に入ってますが

 若い頃はコメディアンだったんですよ)

 

さて、チェビー・チェイスの話。
長身で、黙ってると気さくないい男に見えるんだけど、
ちょっと抜けてるキャラクターが得意で。
いまでも続く「ウィークエンド・アップデート」という、
いわゆるニュース番組のパロディコーナーを担当してて。

 

 

 

 

 


で、だいたい番組最初のコントで彼がずっこけて、
その後に「Live from NY! It's SATURDAY NIGHT!!!」という
決めゼリフで番組がスタートしてたんですね。
この決めゼリフはいまでも変わらず使われてる。
1990年に番組15周年の特番をやったことがあって、
これは日本でもソフト化されてたんで見たことがあるんですが、
そこで彼はヘルメット付けて階段落ちに挑戦してるんですよ。
もちろん生放送で、大勢の客のいる中で。
つまり、何が言いたいのかというと、
チェビー・チェイスはアメリカのコメディの歴史に
確実に1ページを刻んでる一人だってことです。
この90年のスペシャルの時にプロデューサーや出演者から
「階段落ちをやる!?君はもう58歳だろ!」って
高齢をネタにされてたんだけど、
あれから約30年だからこの作品での彼はもう80手前。
そう考えたら、時の経つのが早いなと思ってもうビックリですよ。

そしてもう一方のリチャード・ドレイファス。
この人も70年代に活躍してきた名優で。
「ジョーズ」に「未知との遭遇」、「オールウェイズ」など、
スピルバーグ作品に結構出てたりするし、
あと「グッバイガール」って作品でオスカーも受賞してる。
で、映画ファンなら耳にしたことがあるかも知れないけれど、
1991年にビル・マーレイと共演した
「おつむて・ん・て・ん・クリニック」ってコメディに出てまして。
邦題が凝りすぎててヘンな扱いになっちゃってるんですけどね。
個人的には95年に公開された「陽の当たる教室」っていう、
高校の音楽教師として生徒を指導した30年間の物語があって。
当時オスカー候補にもなるほどの感動作だったんですよ。


ま、今回はおじさんの思い出話になってますが、
この二人がもういい爺さんになって出てくるんだから
いろいろと考えさせられましたね。
しかもまた二人がまさに自身の老いと向き合う役で。
実はNetflixって意外とこういう「老人の老い」をテーマにした作品があって。
代表的なのが「コミンスキー・メソッド」ってコメディドラマで。
俳優養成所の主宰者サンディと、彼と家族ぐるみに付き合ってる
芸能エージェントの社長ノーマンとの友情を軸に、
それぞれの子どもたちの関係や、老いや病と向き合う姿が
コメディタッチで描かれていくんですね。
で、この主演を務めているのがマイケル・ダグラスとアラン・アーキン。
80年代に「危険な情事」で不倫相手に追い詰められる男を演じて
世界中の男どもを恐怖させたマイケル・ダグラスが、
前立腺肥大に悩まされる役とかやってて大笑いですよ。

話がそれました。「ラストツアー」の話。
本作もまた老いてなお心は現役という二人の老人が
最後に一花咲かせようと奮闘するロードムービーで、
ラストにはきちんと感動が待ってる、そんな作品でした。
ま、「人間、気持ち次第で死ぬまで現役。死ぬまで青春」っていうのが
この手の作品では定番のオチなんですけどね。



[2020年4月12日 Netflix]

 

 

 

 

 

※ではチェビー・チェイスとリチャード・ドレイファスの作品を