どうも、はちごろうです。


いまから30年前だったかなぁ、
「うちの子にかぎって」というTVドラマがあった。
これは田村正和が小学校の教師に扮するドラマだったんですが、
クラスで起こる出来事をきっかけに生徒たちの行動がエスカレートしていく、
社会風刺色の強い一話完結のドラマだったんですね。

例えば、こんなエピソードがあった。

生徒会長選挙が近づいたある日、5年生の生徒が立候補する。
通常、生徒会長は6年生のなかから選ばれるんだけど、
もし上級生の候補者に勝ったら面白いとばかりに、
クラスメートが総出で彼の選挙活動を応援。
校門前でのスピーチや、ビラ配り、ポスター張りから、
放課後に下級生の家まで押しかけて選挙協力を要請するなど、
まるで実際の議員選挙のような活動をする始末。
その甲斐あってその生徒は見事生徒会長に当選するが
結局、彼は当選を辞退する。
彼は当選後、対立候補だった6年生の生徒の家に招かれ、
町の名士である生徒の親から、会長就任を辞退する代わりに
名門中学への推薦入学を約束するという
裏取引を持ちかけられていた、というオチが付く。

「学校」という子供の社会を使って、大人の社会の縮図を描く意欲作だった。
調べてみたら脚本は伴一彦。最近だと「デカワンコ」とか書いてたみたい。


さて、数日前からネットを騒がせている事件として、
小学校4年生の子供が「どうして解散するんですか?」というサイトを開設し、
今回の解散総選挙に対する批判的な行動を起こし話題となったが、
実はこのサイトの開設者が20歳の大学生だったことが発覚し、
安倍総理が「批判しにくい子供になりすました卑劣な行為」と
自身のフェイスブック上で批判するという事態にまで発展している。

まぁ、安倍総理が直々に書きこみをやってるわけではないだろう。
おそらく総理周辺のネット担当の職員が書いてるんだろうけど、
この対応は二つの点で間違っている。

ひとつは「子供が政治に関心を持ってはいけないのか?」ということ。
同じことを大人が言えば批判しても構わないというのもおかしな話で、
もし実際に子供が「なんで今回選挙するの?」と疑問に持てば、
それに対して「疑問を持つな!」と頭ごなしに批判するのではなく、
「今回の選挙にはこういう理由があるんだ」ときちんと説明することが
解散権を持つ総理の、もっといえば大人としての責務ではないでしょうか。
そしてもうひとつ。実はこっちの方が深刻。
それは「子供の視点から大人の、社会の問題を考える」というのは
社会風刺の方法としては古くからある常とう手段の一つであること。
先述した「うちの子にかぎって」なんかもそうだし、
子供というわけではないが、夏目漱石の「吾輩は猫である」も
猫の視点から当時の社会を風刺していたわけです。
つまり、これを「卑劣な行為」と断罪するということは、
社会風刺という行為そのものを否定することに等しく、
それこそ言論弾圧である。


まぁ、結局サイトを開設した大学生は批判を受けて謝罪し、
サイトも現在では閉鎖されているようですが、
もっと謝らなければいけない連中は多いように思うんですけどねぇ。
なんでも総理周辺ではこのサイトの主を
民主党と関連付けようとやっきになってるとか。
そもそも、騒動に対する批判をフェイスブック上でやるという
内輪の陰口みたいな行動もどうかと思うんですけどねぇ。






ねぇ?どうしてみんなあやまらないのぉ?
おとななのになぁ・・・
なんてねw