どうも、はちごろうです。



その晩、さっそく3Dテレビの性能を試す。
まずは3Dソフトを堪能しようということで選んだのがこれ。






ゼロ・グラビティ 3D & 2D ブルーレイセット(初回限定生産)2枚組 [Blu-ray]/ワーナー・ホーム・ビデオ

¥6,253
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昨年度のアカデミー賞7部門受賞の傑作SF「ゼロ・グラビティ」。
本編が始まり、ワーナーのトレードマークが出た途端、
画面から浮き上がるWBのマークに少し感動。
そしてそのまま「GRAVITY」というタイトルのあと
画面いっぱいに広がる地球の映像。
そしてそこから船外活動中のスペースシャトルの乗組員たちに
宇宙ゴミが襲ってくる、15分間の長まわしの一部始終だけで、
もうなんか元を取ったような気分になってしまった。


翌日、リモコンを操作して電子説明書を開く。
(もはや分厚い紙の説明書は存在せず、
 テレビ本体に説明書が組み込まれている。)
すると、このテレビには3Dボタンというものがあり、
どうやら普通の2Dの映像を3D映像に変換してくれるというのだ。
なんというすごい機能なんだ!と思いつつ、
とりあえず片っ端から2Dの映像を3Dに変換してみる。


まずは普通のテレビ番組。
とりあえず東京MXテレビの「5時に夢中!」を変換してみたところ、
確かにオープニングタイトルは多少立体的に見えたものの、
その日のレギュラーのマツコ・デラックスが飛び出してくることはなかった。


次に2Dのブルーレイソフト。 例に使ったのはこれ。






KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2011 『THE SPOT』.../小林賢太郎

¥4,629
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ラーメンズの小林賢太郎のソロ公演「SPOT」。
結論から先に言えばコバケンが画面から浮き上がるようなことはなかったが、
心なしか賢太郎さんの輪郭がはっきりしたように感じました。


では、2DのDVDはどうか?とりあえず借りてみたのはこれ。






オーシャンズ ファミリー・エディション [DVD]/Happinet(SB)(D)

¥2,980
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海洋ドキュメンタリー「オーシャンズ」。
結果から言えば立体感はあまり感じないだけでなく、
ブルーレイと比べれば画質も落ちるため見にくいことは確か。
ただ先ほどの「SPOT」同様、輪郭がはっきりした印象は受ける。




なぜ3Dに変換すると輪郭がシャープになるのか?
おそらく理屈はこんなところだと思うんだけど、
例えば映画館で3D映画を観に行った際、
一度でもメガネをはずして裸眼でスクリーンを見たことある人は
画面が通常よりも明るいと感じたことがあると思う。
これは3D映像をメガネを通して立体的に変換すると
通常の映像より少し暗くなってしまうからで、
それを補うために少し明るめに映写していると思われる。
つまり3Dテレビの機能で2Dの映像を3D変換する際、
画面自体の光の量を明らかに多くしているため、
3Dメガネを通して画面を見ても暗く見えなくなったどころか
むしろ明るく見えてしまっているのかもしれないです。
ちょうど画質設定「ノーマル」から「ダイナミック」にしたような感じかな。




その後、今度は3D映画の2D版はどうか?そこで選んだのがこれ。





フラッシュバックメモリーズ スペシャル・エディション<2枚組> [DVD]/角川書店

¥5,076
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松江哲明監督の「フラッシュバック・メモリーズ」という作品。
これはオーストラリアの民族楽器ディジュリドゥ奏者の日本人GOMAが
事故で高次脳機能障害を負い、そこから再起するまでを描いたドキュメンタリー。
基本的には本作のために3D撮影されたスタジオライブの様子に
事故前の写真や事故後に執筆した闘病日記の文字などが
浮かびあがるという内容だったのだが、
3Dカメラで撮っていることを前提としたカットはあるものの、
やはり2Dを3Dに変換した映像では立体感の再現に限界があることは判明する。



他にも、白黒映画はどうだ?ということでBSで放送してた「飢餓海峡」や、
アクション映画はどうだ?と「グランドマスター」や「バックドラフト」など
3Dで見るのに適してそうな作品をいろいろと探してみたが、
やはり3Dで見ることを前提に撮影され、3Dソフトとして発売されたものには
テレビ側の変換だけでは圧倒的に敵わないことは理解しました。



結局、いろいろと試したなかで一番すごかったのは、
海洋ドキュメンタリーの3D作品「オーシャン・ワンダーランド」。






オーシャン・ワンダーランド 3D [Blu-ray]/ジェネオン エンタテインメント

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これはもともとIMAX3Dで上映するために撮影されたもので、
観客が本来期待する「画面から対象物が飛び出して見える」という感覚を
最優先で強調した映像となっていました。




今回のことでわかったことは、
「アバター」以降に一般化した3D技術というのは、
「画面から対象物が立体的に浮かび上がってくる」という技術ではなく、
「画面の中に入りこめそうな奥行の広さ」の再現に適しているので、
多くの人が考えるパブリックイメージとしての「3D映像」は
昨今の3Dテレビではあまり提供されないんですね。
だから3Dテレビって普及しないのかなぁ・・・って感じました。
そのため、以前はCSなどで放送されていた3D番組も、
いまではBS11で夜中に6分間だけしかやってないし、
レンタルショップなどに行っても置いてある3Dソフトは
せいぜいピクサー作品などのファンタジーものだけ。
3Dテレビのサンプル映像として最適な「アバター」など
実写映画はほとんどレパートリーがない、という有様でした。






ちなみに、3Dテレビに興味のある殿方は一番気になるところであろうと思い、
一応借りてみましたよ、3Dのアダルトソフト。DMMが半額だったんで。
で、確かに立体的に見えるんですよ。普通の3Dソフトよりも断然。
画面に足を伸ばしている女優さんの足先が、
テレビ前に置いてあったスマホに乗っかって見えるくらい。
ところが、15分ほど観ていて気付いたことがあるんですが、
AVの撮影にしてはカメラの位置が遠いんですね。
例えば胸の大きな女優さんが自慢の胸をフレームいっぱいに見せつける、
といった立体感を強調する映像はあまりなくて、
例えば仰向けに寝ている男優の足元から女優が迫る様子を、
男優目線で撮影された映像が頻繁に登場することから、
やはり視聴者が想像したような立体感はあまり再現できないようです。
それとこれが一番致命的だと感じたのは、
やっぱり3DAVの最大の売りは「3D映像」であって、
女優さんの姿を楽しむという本来の目的には集中できないんですね。
「うおー!立体的に見えるー!」とはなっても
「この女優さん、きれいだなぁ!」とはどうしてもならない。
あと、やたら室内に風船がたくさん浮かんでて、
それで女優さんが遊んでる映像が頻発するのも気になりましたわ(--;



(続く)