どうも、はちごろうです。


最近ホントに夜起きていられなくて。
夜8時に店を閉めた時点でもう眠い。
でも布団に入ると11時半ぐらいまで寝られなくて、
で、結局録画した番組見てたりするんですけどね。
さて、映画の話




「猿の惑星 新世紀<ライジング>」



伝説のSF映画「猿の惑星」の前日譚を描くシリーズ第2弾。
遺伝子治療の動物実験によって進化した猿たちと
ウィルスによって急速に滅びゆく人類の行方が描かれる。



あらすじ


アルツハイマー治療の新薬の動物実験により
飛躍的に知性が伸びた猿、シーザー。
彼は開発者の家族とともに街で暮らしていたが、
ある事故によって研究所に隔離されてしまう。
だが飼育員によって虐待されたことで彼は脱出を決意。
新薬の入ったガスを他の猿たちにも吸わせた彼は人間たちに反乱を起こし、
研究所近くのゴールデンゲートブリッジを渡った先の山奥に居住区を作った。
―――――あれから、10年。
猿たちは山の中で独自のコミュニティを作り、
シーザーをボスとして集団で狩りをして暮らしていた。
一方、同じ研究所で作られたウィルスが世界中に蔓延。
全世界で社会機能が麻痺し、それがさらなる暴力を生み、
人類の文明は滅亡の危機に瀕していた。
ある日、シーザーの息子ブルーアイズと仲間のアッシュは、
狩りの途中で一人の人間に遭遇。恐怖に駆られた男が発砲し、
アッシュは深手を負ってしまう。
すぐさま猿たち、そしてその男の仲間たちがやってきて
周囲は一触即発の事態になってしまう。
しかしシーザーはその集団のリーダー、マルコムに対し
早々に立ち去るように命じてその場を後にする。
マルコムは研究所近くにある隔離された居住区で
数少なくなった人間たちと暮らしていたが、
生活のための燃料は底を尽きかけていた。
そこでシーザーの居住区近くのダムを再稼働させるため
調査しようとしていたのだった。
言葉を話す猿の出現に慌てる人間たちだったが、
数日後、シーザーの方から人間たちの居住区に大挙して現れ、
「我々は戦いは望まないが、手を出したら容赦しない」と宣言。
マルコムの息子が忘れて行ったバッグを置いてその場を立ち去った。
だがどうしても電力を回復させたいマルコムは単身猿たちの元へ出向き、
なんとかしてダムを調査させてほしいとシーザーに直訴する。
人間たちに虐待されてきたシーザーの片腕コバは
人間は信用できないと進言するがシーザーはマルコムを信用し、
ダムでの調査を許可するのだが、
コバは次第にシーザーに不信感を募らせるのだった。




CGキャラクターを主役にする利点



SF映画の古典となった名作「猿の惑星」。
宇宙飛行士がある惑星に不時着すると、そこは猿が人間を支配する星だった。
この衝撃的な物語を、その前日譚から描きなおそうという企画の第2弾。
今回は知性を獲得した猿たちの共同体が進化していく過程と、
逆に知性を制御できずに滅亡の一途をたどっていく人間たちの姿、
そしてその交錯の過程で起きる衝突を描いているわけですが、
なにより驚くのはやっぱり猿たちの表現ですね。
パフォーマンスキャプチャーという技術の進化によって
俳優たちの細かい表情の変化まで忠実にCGの猿に投影することが出来て、
さらに深い感情表現が可能になってきているという。
しかしその表現力を支えるのはやはり演じる役者たちの身体表現。
主演のシーザーを演じるのはこの分野の第一人者アンディ・サーキス。
「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムや「キングコング」など、
ピーター・ジャクソンの作品で技術を磨いて、
前作ではオスカーも狙えるのでは?と言われたほど。
今回も仲間を守りつつ、人間たちとの戦いも避けるために苦しむ
猿たちの長を見事に演じていて、もう盤石の安心感ですね。
猿たちの演技に関しては全く不安なしです。
一方、CGキャラクターを主役にした実写映画の利点として、
シリーズがヒットしてもギャラが高騰しにくいってのもありますね。
例えば「アイアンマン」みたいなヒーローものだと
シリーズが進めばどんどん主要な出演者のギャラが上がっていく。
だからどんなにヒットしても3作も作れば利益が出なくなってしまう。
そのためヒーロー映画は3部作ってのがお約束みたいになってるんですが、
でもパフォーマンスキャプチャーで作ったCGキャラだったら
演じる役者を途中で替えても製作にはあまり影響はない。
さすがにアンディ・サーキスを替えることはできないだろうけど、
やはり顔を出していない分、変更しやすいってのはある。
で、その分人間側のキャストにビッグネームを呼べるし、
気に入らなければさっさとクビにすることが出来る。
実際問題、本作には1作目に登場した俳優は一人も出てきません。
そういった意味では、うまいこと考えたなぁとも思います。




風刺劇としての「猿の惑星」が描く「戦争の端緒」



さて、そもそも「猿の惑星」という作品は、
奇想天外な設定のSFの姿をして強烈な社会風刺が込められたシリーズ。
例えば1作目の「猿が人間を虐げている」という設定は
原作者が第二次大戦中に日本軍の捕虜として過ごした日々がベースになってる。
で、前作の「創世記<ジェネシス>」の場合は
アルツハイマー治療の新薬実験が制御できなくなった結果、
人類が実験動物の猿に反旗を翻されることから、
慢心によって自らが生み出したものに滅ぼされる危険を描いている。
で、本作は何を描いているかといえばズバリ「戦争の始まり」です。
猿たち、そして自らが生み出したウィルスを制御しきれなくなった人類は、
もはや敵である勢力と共存の道を探るしか手はなくなっている。
それは猿たちの側でも同じで、シーザーは無益な争いを避けようと
不安はあれど人間たちを信用してみる決断をする。
だが、人類と猿の双方にそうした共存の道を受け入れられない者が存在し、
彼らが互いに不安を募らせた結果、その不安を既成事実にしようとしてしまう。
そうした自分と異なる者、別の共同体に所属する他者への恐怖、不安、不信感。
結局そこが「戦争を望む者」の本質なんですね。
私はあんまり歴史や国際政治には詳しくないんですが、
例えば戦争の引き金となった事件の真相は、実は身内がその引き金を引いて、
その罪を敵に擦り付けていた、なんてことはよくあることですわなぁ。




本作最大の欠点は本編にあらず



ただ、このシリーズの最大の欠点として、
予告編で大体の内容を説明してしまう、というのがあるんですね。
前作の「創世記<ジェネシス>」の時は最後の猿たちの脱走シーンまで流して、
映画館に行ったら観てないシーンはラストシーンだけ、という感じでしたが、
本作もまた細かい部分はもちろん省いていますが
ほぼラストシーン近くまで映像を使ってしまっている。
そういった意味では予告編はなるべく観ない方がいいですね。






一応予告編は張っておきますね








といったようなわけで、本作は内容自体は素晴らしいです。
物語の内容も実に見ごたえあるし、映像表現も素晴らしいです。
だからなるべくあらすじを調べないで観に行った方がいいですよ。
ま、おススメです。是非是非!



[2014年9月21日 新宿ミラノ1]




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