どうも、はちごろうです。


毎週土曜朝8時半からTBSラジオで放送中の
「土曜ワイド ラジオTOKYO 永六輔 その新世界」
テレビ業界の生ける伝説、作詞家・放送作家の永六輔御大が
毎週さまざまなゲストの方とトークを繰り広げる4時間半の生ワイド番組。
近年、パーキンソン病を患い、なおかつ大腿骨骨折で入院など
体調の思わしくない時期が断続的に続いているけれども、
関東のラジオファン、特に中高年のラジオファンにとっては
「永六輔」という冠だけで聴くに値する番組と認知されている。
さて、前述したようにこの番組はメインパーソナリティの永さんを中心に、
きたやまおさむさん、ピーコさん、松島トモ子さん、小室等さん、
増田朱美さん、文楽の豊竹咲太夫さん、そして大橋巨泉さんなど、
豪華なサブパーソナリティが話題を持ち込んで盛り上がってる番組なのだが、
この番組の真の主役はアシスタントのTBSアナウンサー外山恵理さんである。


TBSアナウンサー、外山恵理。現在38歳。
実家は東京・向島の老舗和菓子屋「言問団子」。
内部進学した慶応大学ではチアリーディング部に所属という、
経歴的には超が付くほどのお嬢様であるが、
本人はかなり鉄火な性格で曲がったことが大嫌い。
それが故、TBS入社当初から「生意気」という評判がたち、
テレビのレギュラーに抜擢されても半年持たずに降板するなど、
典型的な「女子アナ」という範疇から考えれば落第生といえる。
しかし、2000年に「土曜ワイド」の4代目アシスタントに抜擢されてからは、
同じ江戸っ子の永さんの薫陶を受け、
ラジオアシスタントとして不動の地位を得る。
最近は、身体の悪くなった永さんのお供として
イベント出演や芝居観覧などに同行する姿が度々目撃されている。
これは番組リスナーの大半が確信していることだが、
もし仮に永さんがスタジオにいなくても番組は成立するが、
外山さんがいなければ間違いなく番組は成立しないだろう。
彼女がいなければ番組の進行が滞るだけでなく、
永さんが思い出せずに言葉が詰まった際や、
ろれつが回らなくなった際の通訳の役目もいなくなる。
つまり、現在「土曜ワイド」が人気番組として存続しているのは
ひとえに外山さんの存在によるところが大きいのである。


そんな外山さん、大きなお世話だが現在独身。
この4月から新アシスタントに抜擢された
TBSテレビ(!)の深夜番組「ゴロウ・デラックス」では、
「『結婚って何?』って感じ」と発言するなど結婚願望はない様子。
そんな外山さんに対し、「土曜ワイド」のサブパーソナリティは
「いつ結婚するの?」としばしば結婚を促す発言をするのだが、
「彼女が結婚すること」がどういう意味を持つのか?
発言しているサブパーソナリティの面々はいまいちわかっていないように思う。
実は「土曜ワイド」の歴代アシスタントは初代の長峰さん以外は
2代目の雨宮さんは寿退社、3代目の堀井さんは産休を契機に降板している。
つまり外山さんが仮に結婚して番組を離れるとなった場合、
それは即、番組の存続にかかわる一大事に繋がるのである。


ここ最近、彼女のような「いい年して独身」という人は多い。
他人のことは言えない、かくいう私もそうである。
国も社会も昨今の未婚率の上昇や晩婚化・晩産化を嘆き、
なんとか対策を講じようとしているようだが、
「いい年して独身」側から言わせれば大きなお世話である。
・・・とまぁ、ここで愚痴っても仕方がない。
「どうせ甲斐性なしの負け犬の遠吠え」と片づけられて終いだからだ。
だから、ここで一つ別の視点を提示してみる。
それは「いい年した独身者」の社会的なメリットについて。
昨今、いい年した独身者の高齢社会における重要性は増している。
これは自らの体験も含めてそう感じるのだが、
私の両親はどちらも南関東の出身で、兄弟の中では末っ子に近い。
当然存命中の親類、つまり私にとって伯父や伯母は両親よりも年上である。
しかもその大半が一人暮らしか、それに準ずる生活をしている。
その結果、彼らの身の回りの不便を解消する手伝いが
我が家に一手に回ってくることになる。
こういうとき、「いい年した独身者」は非常に重宝するのである。
例えば、電化製品が壊れたから修理に出したい、もしくは買い換えたい、
そういう際の相談相手としてお呼びがかかったりする。
他にも、近所から必要以上に食べ物をもらってしまったので引き取ってほしい、
大きめの家具が欲しいが他人を家の中に入れたくない、
病院に行きたいけど歩くのには遠いから車で連れて行ってほしい、
アパートの契約が切れて追い出されたから引っ越しを手伝ってほしい、など、
他人には相談しにくい、頼みにくい案件を片付ける際、
既婚者の親族に比べれば圧倒的に時間に余裕があるため
独身者はその依頼を引き受ける確率が結構高いのである。
先日も、伯父からパソコンの購入の相談を依頼されたのだが、
彼はまだ妻(つまり伯母)も健在なら、子供も二人いる。
でも伯父は本来優先的に相談するべき彼らに頼まず、
甥である私のところに相談を持ち込んだのである。
つまり、高齢者にとって独身の甥・姪は
結婚して家を出た実の子供よりも頼みやすく、
裏を返せば、若い既婚者は本来自分たちが頼まれるはずの「実の親の世話」を
独身の従妹に代わりに解決してもらってるのである。


TBSラジオの屋台骨を支える「土曜ワイド ラジオ東京」は、
実はこうした「いい年した独身者」の、
これからの社会における有用性を示す
格好のモデルケースとなっている、と考えることが出来る。
まぁ、当の外山さんにはそんな気はないだろう。
勝手に例として使われるのも本意ではないだろう。
だが、少なくとも「子供が親の面倒を見るのが正しい姿」というのは
もはや成り立たなくなっていることは確かと言えるだろう。

ただし、頼む側の高齢者には一般的な配慮は必要ですよ。
例え親族とはいえその人の時間を使っているわけだから
頼まれる側にある程度のメリットがないと働きません。
「小さい頃にいろいろ面倒見たからいいだろ?」と
過去の恩を着せても人は動きませんよ、と。