どうも、はちごろうです。

暮れも押し迫ってきましたねぇ。あと4日ですよ。
やってることはあんまり変わらないのに
なんか気ばかり焦って余計に疲れてる感じです。
さて、映画の話。

「リアル・スティール」

ロボットによるボクシングが人気を博している近未来を舞台に、
格闘用ロボットを操る元ボクサーとその息子との絆を描く。
主演は「X-メン」シリーズのヒュー・ジャックマン。
人間に代わりロボットによるボクシングが人気を集める2020年。
ロボットに仕事を奪われた元ボクサーのチャーリーは
操縦士として全米中のイベント会場をドサ廻りしていた。
だが、ビジネスの才覚がからっきしの彼は
目先の金目当てに不利な試合を組んでは負け続けていた。
そんなある日、裁判所から召喚状が届く。
10年前に別れたチャーリーの恋人キャロラインが死に、
その恋人との間に生まれた息子マックスを義理の姉デブラが引き取るため、
彼に養育権の委譲を認めさせるための訴訟を起こしたのだ。
チャーリーは金もうけのチャンスとばかりに
マックスの養育権と二人が夏のバカンスの間にマックスを預かる費用として
7万5千ドルをデブラの夫マーヴィンに要求する。
こうしてチャーリーはマックスを一時的に引き取り、
手に入れた金で新しいロボットを手に入れる。
チャーリーはメカニック担当のベイリーやマックスの忠告を無視し、
早速金もうけのために地下の賭けボクシング場に向かうが
せっかくのロボットをあっさりとスクラップにしてしまう。
ボクシング場からの帰り道、チャーリーとマックスは
修理する部品を探しにスクラップ工場に忍び込むが、
そこでマックスは旧式のスパーリング用ロボットを見つける。
「ATOM」と名付けられたロボットは人間の動きを真似る機能があり、
マックスはATOMにボクサーとしての動きを覚えさせ、
チャーリーにこのロボットに再起をかけようと持ちかけるのだった。



作品全体から漂う「日本」に対する憧れ


ロボットによるボクシングを題材にしたSFアクションなんですが、
全体的に「日本」を意識した設定やデザインが盛り込まれている。
マックスがスクラップ工場で見つけるロボットが「ATOM」なのは当然ながら、
例えば、チャーリーがマックスの養育権を売った金で買ったロボット。
このロボット、元は日本人が持っていたという設定のため、
機体には大きく漢字で「超悪男子」って書いてあったり、
マイクを使って音声認識で操縦できるんだけど
日本語でしか動かない設定になっていたりする。
あと、このロボットボクシングの世界でチャンピオンのロボット「ゼウス」。
このロボットを設計開発したデザイナーがタク・マシトって名前で、
設定としてはきちんとした国籍が示されてはいないんだけど
明らかに「たくましい人」をもじっているんだろうなって察することができる。



オッサン、脇が甘いでぇ!


さてこの作品、残念ながら脚本の作り込みが甘い上に設定も穴だらけ。
例えばこのロボットボクシングという競技が
どういうものなのかがほとんど説明されてない。
一応「WRB」というボクシング協会による公式戦があり、
その他に非公式に賭けボクシングが行われているらしいんだけど、
それが合法なのか非合法なのかも説明されないし、
そもそもどんなルールでやってるのかもわからない。
生身の人間のボクシングならきちんと体重別に階級が決まってたりするけど、
そういう階級の差といったものがあるのかもわからないわけです。
そして様々なロボットが出てくるんだけど、その操縦方法もまちまち。
ディスプレイが付いたコントローラーで操る機体もあれば、
ゲームセンターの筐体のようにレバーで動かすようになってるのもあり、
またATOMのように音声認識機能で動くものもある。
そうした技術的な違いがある上に、最終的には所有者の財力で
ロボットの強さが決まってるようにも感じるしで、
競技としての完成度が低いように思ったのがひとつ。
それと、やっぱり主人公のチャーリーの人間性のなさ。
いくら別れて暮らしていたとはいえ自分の息子の養育権を
金で簡単に売ってしまう男にどうしても好感は持ちづらいわけです。
しかもロボットの動かし方すらまともにマスター出来てなかった男が
ATOMを使って次々と勝利を収めていく姿も説得力が薄いし、
全体的にツッコミどころは非常に多いです。



質が低い分、量で勝負?


ただ、そんなダメダメな部分が少なくない量あったとしても
それでもこの作品がそれなりに楽しめたのは、
CGで作られたロボットたちが生身の役者たちと実に自然に共存していること、
そして物語の展開が非常にベタでわかりやすいからですね。
時代の流れに取り残されて誇りを失った元ボクサーが、
離れて暮らしていた息子と行動を共にすることで
父親として、男としての自信を取り戻していくというその展開。
早い話が「ロッキー」と「トランスフォーマー」に
親子の情愛って設定を足しっぱなしにしたような感じとでもいうのか。
その面白要素てんこ盛りな感じは娯楽映画の作り方としてある意味正解だとは思う。
まぁ、この正月休みに、おとそ気分で観るには最適かもしれないですね。