どうも、おささです。

来週末はもうGWですが盛り上がりませんね。
もちろん震災の影響もありますがまだまだ寒いですからね。
そろそろ事態が好転してくれるといいのですが。
さて、映画の話。

「名探偵コナン 沈黙の15分<クオーター>」

青山剛昌原作の人気アニメの劇場版第15弾。
おなじみ江戸川コナンこと高校生探偵・工藤新一が
今回は雪深い新潟の村で難事件に挑む。
都営地下鉄・東都線が開通し、再選を果たした朝倉都知事出席の元、
開通記念式典が盛大に行われていた。
一方その頃、都知事あてに脅迫状が送られてきたことを
居候先の探偵・毛利小五郎から聞いていたコナンは、
旧知の仲の阿笠博士と同じクラスの元太、光彦、歩美、
そして灰原哀のおなじみ少年探偵団とともに
東都線の真下を通る高速道路のトンネルを走っていた。
そのとき、コナンはトンネル内の路側帯に不審な人影、
そして天井に時限爆弾のようなものを見つける。
コナンはすぐさま都知事を警護中の目暮警部に連絡。
地下鉄を緊急停止させた後、道路を封鎖。
直後にトンネル内で爆発が起きるが、被害は最小限に抑えられた。
警察による記者会見のTV中継を見ながら、
今回の事件のは朝倉氏の都知事としての施政ではなく、
彼が国土交通省時代に取りまとめられたダム建設に
反対していた者の犯行ではないかと考えたコナンは、
ダム建設により沈んだ村に住んでいた人々が
新たに開村し移り住んだ北ノ沢村に向かうのだった。

本来だったら子供でも連れて行かなきゃいけない年なんだろうけど、
原作全部持ってて、劇場版も1作目から全部観てる身としては、
この年になってもやっぱり映画館に行かねばならないわけです。
ですがさすがにもう子供と同じ感覚では楽しめないので、
「んなわけあるかぃ!」といろいろツッコミを入れながら観るというのが
大人のコナン好きの正しい見方なのではないかと思う。
さて、謎の組織に薬を飲まされて身体が幼児化してしまった高校生探偵が、
実家が探偵をしている幼馴染の家に居候しながら組織の謎を追うというのが、
この作品本来の目的であるわけなんですが、
なにしろ謎の組織を壊滅させて、身体が元に戻っては話が終わるので、
最近の原作は毛利のおっちゃんが抱える事件を解決しつつ、
サブキャラの恋愛問題に熱心になっている感がある。
劇場版の方も同様で、最近は推理物というジャンルから離れて
どんどんアクションアニメになりつつある。

では今回のコナンはどうだったかというと、
プロットがほぼ「ダイ・ハード3」のパクリだった前作から
さらにアクションアニメ化にその拍車がかかっていて、
今回のコナンの活躍はまるでジョン・マクレーンみたいだった。
まず地下鉄爆破計画を事前に回避する冒頭シーン。
危機を察知したコナンが愛用の電動スケートボードに乗って
トンネル内を逆走するだけでなく天井に宙返りまで披露するという有様。
もう今回もまともに推理物をする気がないのが開始10分でわかる。
そこから舞台は新潟県の雪に囲まれた小さな村に移り、
そこでコナンたちは殺人事件に遭遇するわけなんだけど、
この事件と、そこに絡んでる登場人物がホントにやっつけ仕事。
頼んでもいないのに登場人物たちはコナンたちに秘密を暴露し、
頼んでもいないのにお互い腹に一物持っていることを披露しあう。
その時点で誰が犠牲者になるのかまでわかるくらいだった。
もう、あとはご都合主義的にどんどん事件が起きて、どんどん事件が解決していく。
そして登場人物たちは、タイトルにもある「15分」という言葉を多用して、
この「15分」という時間が伏線ですよといちいち説明してくれる。
そしてラスト「15分」。もうジョン・マクレーンでも
「アホか!」とツッコミたくなるようなアクションが展開される。
もう、話自体は子供でも「バカにすんなよ!」と言いたくなるような代物でした。

ですが、「コナン」に本格的な推理物を要求しているファンは
実は少ないような気がしているんですよ。
つまり小さいお友達が「コナン」に求めるものは
「大人が悩む事件をたちまち解決してしまう『子供』」という構図であり、
大きいお友達が「コナン」に求めるものは
「素性を隠して幼馴染の蘭とともに暮らすコナン=新一」を始めとする
登場人物たちの恋愛事情だったりだったりするわけで、
おそらく製作者もそれをわかった上で作ってるような気がする。
まぁ、これも「原作ファン」という支持者が多数いるからこそ出来る
一種の甘えなのかもしれないですが。