どうも、おささです。

ここ2,3日、少し暖かくなりましたね。
春も徐々にではありますが近づいているようで。
では、映画の話。

「塔の上のラプンツェル」

ディズニースタジオの長編アニメ最新作は、
グリム童話「髪長姫」をベースにした物語。
昔々、若さと健康をもたらす魔法の花があった。
それを見つけた魔女ゴーデルはその存在を隠しつつ、
一人、何百年と若さと美貌を保ち続けていた。
そんなある日、国のお妃さまが死の病を患い、
国を上げて薬を探すこととなった。
ある兵士がゴーデルの隠していた魔法の花を見つけ出し、
それを煎じた薬を飲んだお妃は見事に回復。
ほどなく一人の女の子を出産する。
ラプンツェルと名付けられたその子供の髪の毛に
魔法の力が宿っていることに気が付いたゴーデルは、
ラプンツェルを城から連れ去り、森の奥の塔に幽閉する。
国王は誘拐された娘の無事を祈り、
彼女の誕生日になると願いを込めて
無数のランタンを空に放つのだった。
その後、ゴーデルの「娘」として育てられたラプンツェルは、
18歳の誕生日に塔の外への外出をゴーデルに懇願する。
自分の誕生日に空に舞う無数の光を間近で見てみたい、と。
だが、「外には危険がいっぱいだ!」と
言葉巧みに言いくるめられてしまう。
一方その頃、城に若き盗賊フリン・ライダーが忍び込み、
王冠を盗んで森の中を逃亡中、洞窟の奥に塔を発見する。
塔に逃げ込んだフリンは何者かに頭を殴られ気絶。
気が付くとそこには驚くほど髪の長い少女がいた。
彼女はフリンの持っていた王冠の入ったカバンと引き換えに、
自分を塔の外へと連れ出すことを頼むのだった。

結論から先にいえば、よく出来た作品ですよ。
大人も子供も楽しめる作りになってて
親子連れで行ってもまず大丈夫といった感じ。
子供の立場からすれば「おとぎ話」として合格点の出来。
特に女の子のツボを心得た物語になってる。
金髪の長い髪(ちと長すぎだけど)を持ったかわいい主人公。
実はお姫様で、才能もある。だが、魔女によって幽閉されてる。
そこに美系の青年が現れて塔から救い出してくれて、
なんやかんやあって結局のところ大団円。
多少展開にご都合主義的なところがあるけれど、
表情豊かなキャラクターと抜群の演出力で
そんなツッコミどころも些細なものに感じてしまう。
そういった点でもよく出来てると思います。

反面、親の立場からするとこの話は、
「親の過干渉と子供の好奇心」についての話である。
魔女ゴーデルは「自分の若さと美貌のため」とはいえ、
「塔の外には危険が溢れている。外に出てはいけない」と
ラプンツェルを塔の外から一歩も出すまいとする。
彼女のこの行為は過保護な親のそれと一緒である。
つまりどんなに我が子の行く末を思う行為であっても、
子供自身の好奇心、成長しようとする意思を
妨げるようなことをしてはいけない。
そうした世の大人に対する教訓も込められている。

ディズニーの長編アニメの栄えある50作目となる本作は、
「ディズニー」ブランドの基本に立ち返った
王道のおとぎ話であると同時に、
大人の鑑賞にも十分堪えるテーマ性も持ち合わせていた。
老舗ディズニーの着実な復活を感じられる1本でした。