どうも、はちごろうです。
以前、「IMAXで観ろと言われても」というブログで
現在わざわざIMAXスクリーンで観る必要のある作品はほぼないことを書いた。
IMAXカメラは現在主流の映画撮影用カメラと画角が違うため、
そもそもIMAX用のカメラを使って撮影している作品が少ないこと。
そして、元は実写映画を撮影・上映するためのシステムなんだから、
あのスクリーンでアニメ作品を上映するのはあまり意味がない、というのが主な理由。
(ま、同じようなことを考えている人はいたようで、
昨年公開された「劇場版鬼滅の刃 無限城編」は
一部シーンをわざわざIMAXのフルスクリーン上映に堪えるように
画角をスタンダードサイズで作画し直したものを
「IMAX特別上映版」として上映していたようですが)
じゃあ、どんな作品がIMAXで観る意味がある作品なのか?と。
実はいままさにうってつけの作品が上映してる。
それが「罪人たち」という作品。
本年度米アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞をはじめ、
史上最多の16部門ノミネートを勝ち取った異色作。
黒人差別が根強い1930年代の米ミシシッピ州の田舎町で、
地元出身の双子の黒人青年が黒人向けの酒場を経営しようと奔走する。
そして無事酒場は開店。初日から地元の黒人たちが多数来店するが、
そこに招かれざる者が現れたことで一転、恐怖の一夜を過ごす羽目になる作品。
ホラー映画の形式を取りつつ、根底には米国文化の負の歴史の隠喩があり、
それでいて優れた音楽映画でもあるという奥の深いエンタメ作品で、
隅々まで趣向が凝らされた素晴らしい作品でした。
で、本題の「なぜこの作品がIMAXでの鑑賞に堪えるのか?」というと、
この作品はIMAX社純正のIMAXカメラをつかったスタンダードサイズと、
ウルトラパナビジョン70という幅70mmのフィルムを使った、
現在主流のビスタサイズよりも1.5倍ほど横に長ーい画角の
2種類の画角の場面が混在しているんですね。
で、実はこの2つの画角で撮られたシーンには
それぞれ共通した意味を持たせているんですよ。
それを念頭に置いて改めてこの作品を見てみると、
監督のIMAXという撮影手法に対する本音も透けて見えてきて
「やりやがったなぁ!」って気分になります。
この作品、本国アメリカでも予想外の大ヒットを記録したため、
日本では昨年6月に緊急公開されたんですね。
ちょうど「ミッション:インポッシブル/ファイナルレコニング」と
「F1/エフワン」の間に実質2週間程度上映されただけなので、
満足にIMAXスクリーンを確保することが出来なかったわけです。
で、米アカデミー賞のノミネートが発表になって、
目下作品賞大本命の「ワンバトル・アフター・アナザー」とともに
凱旋上映という形で日本でも再上映が始まりましたけど、
「ワン・バトル・・・」の方にはIMAX版の上映があったのに
今回は端から「罪人たち」にIMAX上映が予定されてなかった。
確かに「ワン・バトル・・・」も昨年の封切り時に
監督が「IMAXのフルスクリーンで観る必要がある」と力説してたけど、
これは撮影に使ったビスタビジョンカメラがIMAXカメラと画角が一緒だから
「全編フルスクリーンの画角で上映できる」というのが主な理由。
一方、「罪人たち」の場合は前述したように
それぞれのシーンの画角に意味を持たせているという点で
IMAX版で上映する理由の必然性が段違いなわけです。
ま、この作品がいまIMAXスクリーンで観られないという事実が
結構皮肉にもなっちゃってるんですけどね。
というわけで、IMAXで観られないのは非常に残念ではあるんですが、
それでも「罪人たち」は出来ることなら映画館で観ておいた方がいいと
はっきり断言できる作品でしたね。そもそも娯楽作品としても一級品ですし。
ま、すでにU-NEXTで観放題配信やってますけども。







