広島県は安芸郡熊野町にあります、筆の里工房
へ行ってきました(^_^)/
中期で展示されている国宝は、
・国宝 古今和歌集 嘉禄二年本 【中期10/1〜14】
の1件です。
では、レポートします(^_^)/
・国宝 古今和歌集 嘉禄二年本
冷泉家時雨亭文庫所有の国宝。鎌倉時代 嘉禄2年(1226年)の作。
藤原定家65歳の時の直筆の書です。
定家は、古今和歌集を17回も書写していますが、そのうちの1つ。
縦20✕横15cmほどの縦長の冊子本です。厚さ3cm程度。
茶紙で、最初のぺージが開かれた状態で展示されていました。
まずは、この巻全体のフォーマットから見ていきましょう。
次に分類(カテゴリー)「春歌上」、
そして「詞書」歌が詠まれたシチュエーションまたはお題、
「作者名」、
「歌」となっていて、これが繰り返します。
では、展示されている歌、1首ずつ見ていきます。
在原元方
としのうちに 春はきにけり ひととせを こそとやいはむ ことしとやいはむ
※在原元方(ありわらのもとかた)は、平安時代最強プレイボーイ在原業平のお孫さんです(^_^;)
紀貫之
袖ひちて むすびし水の こぼれるを
春立つけふの 風やとくらむ
よみ人しらず
春霞 たてるやいづこ みよしのの
よしのの山に 雪はふりつつ
二条のきさき(藤原高子)
雪の内に 春はきにけり うぐひすの
こぼれる涙 今やとくらむ
※二条の后(きさき)とは、藤原高子(ふじわらのたかいこ)のこと。在原業平とも浅からぬ関係があります❤
よみ人しらす
梅がえに きゐるうぐひす はるかけて なけともいまだ 雪はふりつつ
素性法師
春たては 花とや見らむ 白雪の
かかれる枝に うぐひすぞなく
よみ人しらず
心さし ふかくそめてし 折りければ
きえあへぬ雪の 花と見ゆらむ
(ある人のいはく、さきのおほきおほいまうちきみ)
※「さきのおほきおほいまうちきみ」とは、「前太政大臣」のこと。役職名で言われたって、誰のことだか分からないよ……欧米だとMr.◯◯とかMrs.◯◯って呼ぶので、個人が特定されるんですか、日本人は◯◯課長とか◯◯部長って今でも呼びますよね。
「詠み人知らず」だけど、誰かが「前太政大臣」のことだと言ってたよ……ってことです。
実際に「定家様」見てみてどうですか?
普通に連綿で書かれるより、断然読みやすいですよね(^o^)
展示は、10/14(祝)までです(^_^)/~~