こちらのセミナールームで30分ほど、学芸員の方の話をお伺いしてから、ぞろぞろと出発です。
(残念ながら今回の見学に黒書院は含まれていませんでした。黒書院は西本願寺の門主の執務室であり、生活空間でもあるので、一般公開されたことはほぼありません。チョッとだけ期待していったんですが、残念(>_<))
左が国宝 書院の玄関。右の白い建物が龍虎殿、西本願寺の寺務所です。
今回の拝観は、この玄関から入らず、龍虎殿内部から、書院の中に入っていきます。
内部は撮影厳禁なので、ここからは文章のみです(^_^;)
↑の写真は、書院の玄関正面ですので、この中を右から左へ移動しました。
この中に一番最初の部屋、虎の間があります。
部屋一面に杉戸絵で、虎と豹が描かれており、近年全面を複製画に書き換えられています。
虎の間を抜けると、国宝の書院(対面所)
と重要文化財の南能舞台(画像右)が現れます。
対面所は200畳以上ある、書院の中でもっとも広い部屋です。
こちらは、門主が信徒と対面するための間で、今でも西本願寺の行事で実際に使われています。
襖絵は狩野派と円山派による鶴松の絵。
そして、庭に目を向けると正面に見えるのが、重要文化財の南能舞台(画像右)です。
↑南能舞台(画像右)を裏から見たところ。左端に舞台が見切れていますね。能舞台の床下には、音響効果を高めるため、大きな龜(かめ)がスピーカーがわりに設置されているそう。
この視覚効果は是非とも経験していただきたいと思います。
次は雁の間。
襖絵に雁の1日が表されています。
まず、右手に朝の図。空に飛び立っていく様子が描かれています。
次に正面は、お昼のお食事タイム。餌をついばんでいます。
左手は夜の図。寝床に帰る様子です。
この夜の表現が凝っています。
左手襖の上部 欄間部分に雁が透かし彫りされているのですが、そこからとなりの部屋に描かれている月が見えるようになっているんです!
そうやって夜を表現しているんですね~。
さて、そのとなりの部屋は菊の間。
襖全面に菊が描かれています。先ほど雁の間から見えた月もありますが、菊の間ではこの月の意味はありません。
そして雀の間。
雀が68羽描かれていたのですが、あまりにリアルだったため、2羽は飛び立っていきました。ということで、今いるのは66羽。という文化財あるあるの逸話があります。
さて、次はいよいよ白書院。
一の間、二の間、三の間と連なる、門主と賓客との対面のための空間です。
対面所(鴻の間)よりも、豪華な作りになっています。
そして、この白書院にも、能舞台が付属しています。
更に進むと、国宝 黒書院に続く伝廊があります。
そちらへの立ち入りはできませんでしたが、伝廊内部は見ることができました。
ツアーも折り返しです。
間といっても、ほぼ廊下です。
ここは、今でも西本願寺の僧侶が試験の時に使うそうです。
そのためなのか、天井絵は本が沢山描かれています。
そして、その中に猫が一匹隠れています。ネズミが本を噛ったりしないように見張っています。八方睨みの猫と呼ばれ、どこから見ても目が合うそう。これも文化財あるあるですね(^_^;)
そして、狭屋の間(さやのま)の目の前に広がる枯山水の庭が、虎渓の庭。
その後、最初の虎の間に戻ってきました。
以上でツアーは終了です。
1時間たっぷりと学芸員の方にご案内いただきました。
ガイド役の人がいると、一人では気付かないところ、見逃してしまうようなところを紹介していただけるので良いですね(^_^)
ただ、自分で心行くまでじっくり拝見する、といったことはしづらかったので、あらためてもう一度訪問してみたいと思います。
書院拝観の機会としては、毎月16日のShinran's dayと、5/20~21の宗祖降誕会がありますので、タイミングが合えば参加してみますね。