奈良博 名品展「珠玉の仏教美術」12/16 | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2024年9月現在の国宝の総数1,143件。そのうち、美術工芸品912件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

先日、東大寺の法華堂での国宝 執金剛神立像の拝観から、奈良国立博物館でのサンデートークに行ってきました。

が、今回は奈良博の通常展である、


の紹介です。


現在奈良博では、特別展が開かれていないので、通常展の展示です。

2019/1/14まで見られる国宝は、

 国宝 智証大師関係文書典籍のうち
   伝教大師略伝(園城寺)
 国宝 六祖恵能伝(延暦寺)
 国宝 法華経(浅草寺)
 国宝 粟原寺三重塔伏鉢(談山神社)

の4件。


では、国宝 智証大師関係文書典籍のうち
伝教大師略伝から。

伝教大師略伝は、伝教大師 最澄の伝記をめちゃくちゃ簡単にまとめた文書です。
巻物形式をとっていますが、A4一枚程度の大きさで、100文字無いです。だから左半分が余白。せっかくの巻物装ですが、短すぎてトイレットペーパーの芯みたいになっています。
智証大師とは円珍のこと。
天台宗のお坊さんで、黄不動で有名な三井寺(園城寺)を再興した方ですから、最澄とはゆかりがありますね。
でも何のための文書なのかよくわかりませんσ(^_^;)?


次は、国宝 六祖恵能伝

唐の天台の偉いお坊さんの伝記のようです。
遣唐使だった最澄が、唐から持ち帰ったもので、国宝 伝教大師請来目録(最澄が唐から持ち帰ったものリスト)に記載があります。(このブログでも延暦寺至宝展前期②のレポートで紹介しました)

こちらも巻物装ですが、紙と紙のつなぎ目の裏に、最澄自身が封をしています。
具体的には墨書で「天台」「弟五」「澄封」とサインしてあるのです。(割り印みたいな感じでね)

この部分も見えるように展示されています。(単眼鏡で見るとよくわかりますよ)


国宝 法華経(浅草寺)

納経です。現世で徳を積み、来世で極楽浄土に迎えられるために納められたお経。
大変美しいものでした。
今まで見てきたお経のなかで一番綺麗でしたよ(^o^)
黄茶の紙に、金箔が細かくしかも濃密に散らしてあり、燦然と光輝いていました。
そこに銀泥で罫線が引かれ、楷書で美しく文字がしたためられています。
くっきりとした黒の墨書の文字もまた美しい(^-^)/

見返し絵もキレイですが、風景を描いてるんでしょうか?金箔が凄すぎてよくわからないほどですσ(^_^;)?
見返し絵の右上に「麒麟」がいましたよ!見つけてね。


最後は、国宝 粟原寺三重塔伏鉢

伏鉢は、五重塔なんかの法輪の一番下の部分です。
五重塔には、てっぺんにアンテナみたいのが付いてますよね。その根元部分です。金銅製で線刻で文章が彫られています。
私が見たときは、ご婦人(おばあさん)が一生懸命写し取っていました。

以上です。

特別展もいいけど、平常展もいいですね。
なんといっても混んでないので、ゆっくり見て回れます。
15:30から閉館の17:30まで、みっちりいました。

来年1/14まで奈良博では、これら国宝が見られます。
さらに隣の「なら仏像館」では、名品展「珠玉の仏たち」として、国宝の仏像3件(薬師如来座像・釈迦如来坐像・義淵僧正坐像)も展示されていますので、まだご覧になられていない方はどうぞ。

12/16のサンデートークの報告はまた今度。(^_^)/~~