20190915【報告】20190907『薪能 藤橋』飛騨市神岡町 江馬館特設ステージ | あいこのお散歩記録帳

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風の向くまま、気の向くまま。気づいたことをつづります。

2019(令和元)年9月15日(日)

イベント報告、です。

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2019(令和元)年9月7日(土)

薪能 藤橋

岐阜県飛騨市神岡町江馬館(史跡江馬氏館跡公園) 特設ステージ開催

開催日時: 令和元年(2019)9月7日(土)

        午後5時~ 第1部 会員発表

       午後6時~ 第2部 狂言「しびり」 ・ 能「藤橋」

 

会場: 江馬館特設舞台(雨天時は、神岡公民館)

     ※江馬館史跡江馬氏館跡公園

             〒506-1121 岐阜県飛騨市神岡町殿573-1

               TEL 0578-82-6001

     ※HP『飛騨市の文化財』 トップページ>文化施設の御案内>史跡江馬氏館跡公園

        http://hida-bunka.jp/facilities/emashikouen/

 

今年は、最高の天気の元、

無事、江馬館(史跡江馬氏館跡公園) 特設ステージ開催できた。
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この日は、最高気温34℃。

空の色が、「夏色」だった。

 (北西から)

右奥の山の上に、「高原諏訪城跡」がある。

山頂部の樹木を切り払ったので、本丸の曲輪の形状が分かるようになった。

 (北から)

 (北東から)

①~③ 国名勝「江馬氏館跡庭園」 庭園南岸  東から、西へ、順に望む。

④国名勝「江馬氏館跡庭園」 庭園西岸(東から)

 正面の山は、観音山。山頂部に、県指定史跡「傘松城跡」がある。 

⑤会所建物内から、庭園西岸の景石を望む(東から)

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会場準備完了(北西から)

会員の皆さんが、前日から、会場設営を行う。

この日も、朝から会場設営を行っていた。

14時過ぎに、設営終了。

この後、会員の皆さんは、

控室に借りている、殿公民館で、最終のお稽古。

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時間どおり、17時から、会員のみなさんの成果発表。

日頃のお稽古の成果が披露された。

 

・・・受付係を仰せつかり、

  受付業務をしていたので、能・藤橋が始まるまで、写真撮れず(汗)。

 

18時から、第2部の開始。

市長さんのご挨拶のあと、火入式。

狂言・しびり

 叔父に用事を言い使った太郎冠者が、

 「足がしびれた(しびり)から、用事はできない」と言うやり取りを、

 面白おかしく演じる内容。

 富山の狂言師さんに来ていただき、上演。

 太郎冠者を演じたのは、小学生。

 セリフ?も、所作も、見事に演じ。素晴らしかった。

 会場は笑いの連続。

 

日が暮れ始める中、能・藤橋へ。

 

謡曲『藤橋』

戦国時代、江馬館の主である「江馬時盛」が、

逆臣・釜崎に惨殺された、という歴史に題材を取った謡曲(所謡)

(地元の物語に題材をとった謡曲を「所謡(ところうたい)と言う)。

能・藤橋

謡曲『藤橋』に、囃子・舞を付け、「能」としたもの。

囃子・舞は、人間国宝・野村四郎 師の作。

平成18年5月、四郎氏により、完成披露の初上演が行われた。

以後、藤橋会の皆さんが稽古に精進し、

プロの能楽師ではなく、

地元の愛好家(プロではない)の手で、上演している。

謡曲・『藤橋』の物語

旅の僧(ワキ)が、

飛騨の国・高原郷まで来たところで日が暮れ、

高原川の藤橋のたもとにあるあばらやで、一夜の宿を借りる。

宿を貸したあばらやの女主人(シテ)が、

「ある方のためにお経を上げてほしい」と、

時盛惨殺の際の様子を物語り、

自分は、時盛の妻・明石の亡霊であることを明かし、

読経のお礼に、惨殺の世の宴会で舞った舞を舞い、

旅の僧の読経によって成仏する、という物語。

 

能舞台の設営(北東から)

賤ヶ家(あばらや)を表す籠(道具)を据えている。

空には、半月が上っている。

シテ(明石)が姿を現す(北東から)

賤ヶ家(あばらや)で糸車を回すシテ(北東から)

旅の僧(ワキ)に宿を求められ、女主人(シテ)が宿を貸す(北東から)

賤ヶ家(あばらや)に、旅の僧を入れた様子を、

籠から女主人(シテ)が出てくることで、表現。

舞台上が、賤ヶ家(あばらや)の室内に「場面転換」している。

女主人(シテ)が江馬時盛惨殺の様子を物語る(北東から)

女主人(シテ)の衣装替え(東から)

女主人(シテ)は、自分が時盛の妻・明石であることを明かす。

惨殺の世の宴会で、明石が舞った衣裳をまとい、その世の舞を舞う。

女主人(シテ)の舞と半月(北東から)

時盛惨殺は、中秋の名月を愛でる宴会の後のことであった。

場所は、この館。

その世の宴会での明石の舞は、

まさに、このような光景であったかも。

女主人(シテ)の舞(東から)

明石の悲しみと、旅の僧の読経によって、悲しみが浄化され、

成仏する様子が、謡と舞により表現されている。

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19:30頃、終了。

会員の皆様と、だいたいの片づけをし。

この日は、終了。

会員の皆さんは、「ご苦労さん会」へ。

 

翌日、9時30分集合、で、撤収作業を行った。

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上弦の半月が美しく。

能・藤橋、は。
会員のみなさんの御精進の成果
年々、お上手になっていく。
素晴らしい出来栄え
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「その場」を舞台とした
所謡(ところうたい)」に、
舞と、囃子を付け、能に仕立て

それを、地元の方々が、
稽古に励んで、
演じ「続けて」いる
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その場」は、復元し、公園となり。

そこで、地元の方々によって、
謡い、守られる「所謡」

さらに「」として、
新たな「文化」も、生み
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史跡整備の目的。
復元することで、
 今まで守る伝えられて来た場で、

 今を生きる人が、活き活きと活動し、
 そのように利用することによって、
 これまで守られて来た(復元した)(遺跡・史跡)を、

 今後も、さらに守り続けていく」。

の、実例
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守り続けてくださる皆さんに、感謝。
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藤橋会の「観月会」が、
神岡城で始まったころに、
私は神岡に就職。

「江馬館に関係のある謡だから、
 見にいくといいよ」と言われ、
見に行ったときの様子は、
良く覚えている。

25年前の話。

その時と変わらぬ顔ぶれの会員のみなさんに、
1年ぶりに再会。

25年間。
稽古し続け。
能に仕立てて、さらに稽古を続け。

会員のみなさんの熱意と、
ご尽力に、敬服。
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自分も。
当日だけ(汗)の参加だけど、
そこに参加させていただけたことに、
感謝。

来年も。行こう。