こんにちは!
バレンタイン短編小説ばかり
最近投稿してます。
では、どうぞ召し上がれ。
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バレンタインデーに
家から彼女が出て行った。
もちろん、彼女からのチョコレートはなかった。
彼女が荷物を整理し
大きなバッグ二つ分の洋服を持って出ていくことになった。
彼女が部屋から自分の物を選別しているとき
小さい銀紙に包まれたチョコレートが出てきた。
彼女が去年買って私にくれたものだ。
「全部食べなかったんだね」
そういうと、彼女がそのチョコレートを
私に投げた。
私はチョコレートを掴むと
銀紙をはがし一口かじった。
「やめなよ、おなかこわすよ」
そう、彼女が言った瞬間に
私はチョコレートを吐き出した。
”もう、最後の最後まで余計なことするよね”
私は、頭の中で彼女のセリフを唱えていた。
彼女の私に対しての不満のセリフなら
彼女が口にする前に想像がつく。
”よく、考えればわかるでしょ”
”もう、なんでそんなこともできないの?”
”だから、いったのに?”
これくらいなら我慢ができる。
もっと、言われたくないことを私たちは
言い合って、そのセリフと態度と口調で
お互いを傷をつけてきた。
だが、今回はそのセリフは私の頭の中だけで響き
彼女の口からは出ることはなかった。
すると、私は、随分と彼女の気の障ることを
してきたことに気が付いた。
吐き出したチョコをティッシュで拾いながら
私は悪かったと呟いていた。
何が?今更?このタイミングで?
彼女のセリフが頭でこだまするが
彼女は一言もしゃべらなかった。
もう、終わったんだから。
もう、言い合うのは終わりにしよう。
どうして、もっと早くに私たちは
言い合うのをやめなかったのだろう。
そしたら、今でも終わらなかったんじゃないのか。
お互いが深いため息をつきたいのを我慢して
玄関先でじゃあねと言って別れた。
こんなにも口に苦いチョコレートは
食べたことがない。
次、私はチョコレートをもらえるのだろうかと
一人で部屋で考えていた。
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いかがでしたか?
ビターなチョコもたまにはいいかな?
次回もお楽しみに。