ぜにざむらい(著・吉川永青) | カメラマン長谷川修のブログ

ぜにざむらい(著・吉川永青)

 

吉川永青さんの「ぜにざむらい」を読みました。
幼いころに生家が滅び、豪商の甥の助けを借りながら命をつなぎ、蒲生氏郷に仕えた戦国武者の岡佐内定俊を描く物語です。
表題のとおり、武士にあるまじきと蔑まれても蓄財に励むのは、命をかけて佐内を守った傅役・若江藤右衛門が今生の別れに言い含めて聞かせた「ずるい者どもに潰されぬだけの力をつけて、誰にも見捨てられぬ武士になれ」という言葉と、「世の中は銭の力で動いている。銭がないと何もできん」という豪商の甥の言葉が重なり、「力のある武士になるには銭が必要」と悟ったからです。
しかし、「銭は貯めるだけではなく、貯めた銭を他者を思って使うと幸せな気持ちになる」「銭勘定が上手くても、人の感情に触れないと見捨てられぬ武士になれない」というところが物語の核にあるところが、この物語の感動的なところです。
歴史に太文字で名を残しているワケではないけれど、こういう武者が戦国の世に駆けていたことを知りました。
 

 

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