のうの夜のことだ。

いつものようにミニョンの安全を確認しようと外に出たところ、彼女の姿が見当たらない。

普通ならすぐにぼくの姿を嗅ぎつけて暗闇から出てくるはずなのだが……

仕方ないので、何度かネコ語で呼んでみるが、いっこうに応答がない。

変だなぁ……

ちょっぴり心配になった。


すると、2、3分してからニャーンというミニョンの鳴き声が聞こえてきた。

はっきりとした泣き声でではない。何か口にものがはさまったような鳴き声である。


向こうの暗闇に彼女の白っぽい姿が見えてきたので、こちらから近づいてみることにした。

すると、ミニョンは何かをさかんに食べている。

小動物のようだ。

まさか、かえるでも捕まえたのでは、と思って、さらに近づいて驚いた。

ミニョンが捕まえたのはかえるではなく、違う生きもののようだった。

小さな胴体の端っこからしっぽのようなものが出ている。

どうもねずみの子供のようだ。


はっきりいって、ちょっぴり気味が悪かった。それに必死に食いついているミニョンがちょっぴり獰猛に見えて、彼女の野性味を再認識させられたといっていいだろう。

これが彼女にとっての初の獲物なのかどうか、それはわからないが、少なくともぼくにとっては、それを見たのは初めて。

いつか、彼女が大人になって少し落ち着いてきたら家の中に入れて、家であばれるねずみたちを退治してもらうべきかどうか、そんなことを考えるぼくなのであった。


$いなかパラダイス―辺境からの問いかけ
こちらはおととい撮影した写真。あまりの陽気のよさに椅子を畑のわきにおいて読書したところ、ミニョンはそのかたわらでリラックス……