筆者九段さん自らが「生成AIを駆使して作った」と語った
いったいどういう内容なのだろうという思いで読んでみた
「東京都同情塔」は日本の架空の未来が舞台
内容
ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワー東京」が建てられることに。 犯罪者に寛容になれない建築家・牧名沙羅は、仕事と信条の乖離に苦悩しながらもパワフルに未来を追求する。ナフロウで暴れ、生成AI時代の予言の書。
文章は単語で溢れていて読み疲れ、エネルギーを使った
犯罪者や刑務所に対する考え方、年下の彼氏の位置づけなど多くの言葉で説明していて、AIと対話しながら物語が進められていく
主人公は建築家の女性で、「犯罪者は同情されるべき人々」という考え方をもとに、犯罪者らが快適に暮らすために新宿の公園に建てられた高層タワーをデザインした
そして、過度に寛容を求める風潮の広がりや、生成AIの言葉が浸透した社会の在り方に違和感を覚えながら生活する
作中では、筆者はAIがもたらす負の側面についての危機感を、繰り返し表現している。
例えば、主人公が生成AIに対する考えを表している
「いくら学習能力が高かろうと、AIには己の弱さに向き合う強さがない。無傷で
言葉を盗むことに慣れきって、その無知を疑いもせず恥もしない。どこの誰がどの
ような種類の苦痛を味わってきたかについて関心を払わない」
「いかにも世の中の人々の平均的な望みを集約させた、かつ批判を最小限に留め
る模範的回答」
言葉は相手があるからこそ生まれるもので、その場だかこそ生まれるものだとい
うことだろうか
不完全な言葉でも温かみがあるはずだ
筆者は言葉にこだわり、読み手意識やその言葉が生まれてくる背景についても大切にしていることが伝わってくる
そもそもAI自体を理解していないのに、AIを使った感想・意見を考えることは、
自分、お疲れ様!であった