独特の恋愛を描く山田詠美
語るだけでなく実体験があるから語ることができるのだろう

作家生活20周年で出版された短編を読む

内容
恋愛小説「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」。恋の妙味を描く6篇。
 
谷崎賞受賞作「風味絶佳」
 70歳の今も真っ赤なカマロを走らせるグランマは、ガスステイションで働く孫の志郎の、ままならない恋の行方を静かに見つめる。
 
 その他恋と人生の小説
 
山田詠美はあとがきで
肉体の技術をなりわいとする人々を描きたかったと述べている
彼女は描写欲と書き、性欲、食欲、知識欲と並べている

異性に対する「欲望」はより動物的だ

「胃袋を掴む」とよく表現されるが

料理と異性への欲望を同列に語り生々しく表現している

男性にとって「都合のよい」また、所有物のように扱われる女性が登場し

また、逆に「レディーファースト」を幼い頃から言われ続けた男性も登場する

私も伯母に無意識のうちに「しつけ」られたことを思い出す

いずれにしても育った環境が後々の恋愛観に大きく影響するものだ