子どもの頃、半切りサイズで書いた毛筆が何かの間違いで展覧会で賞を取った
確か『不断の努力』
なるほど未だに身につかない目標だな
それ以来、作品らしいものは書いた事がない
大人になってからは「まさかの出来事」
はナイショにする程、乱雑な文字に悩んできた
冠婚葬祭の受付で記名した時は、早く立ち去るようにしている
幻の過去を久しぶりに思い出しながら読んだ


内容
実直なホテルマンは奔放な書家と文字に魅せられていく。書下ろし長篇小説! 都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。

自身の人生を賭けて筆を振るう一人の書家の姿。その文字に魂が込められ、「声」が響く
「書」というものの持つ姿を主人公は楽しみ、書家と心を通じ合わせる
間に少年も混ざり交流を化学変化させ
穏やかなスートーリーであった

作家の謝辞がユニーク