物騒な題名のコロナ禍の渦中に父を看取る物語を読む
当に私も母を送り共感できる内容であった

内容
2021年2月、7年ぶりに声を聞く母からの電話で父の危篤を知らされた小説家の「わたし」は、最期を看取るために、コロナ禍下の鳥取に帰省する。なぜ、わたしの家族は解体したのだろうか?――長年のわだかまりを抱えながら母を支えて父を弔う日々を通じて、わたしは母と父のあいだに確実にあった愛情に初めて気づく。

主人公の実家は「共同体の一員」で家父長制が今もそこに暮らす人々の価値観の主流になる
掟は「出ていけ、もしくは従え」だ
主人公の彼女は、その事に疑問を感じ長年実家には帰らず男女平等の「正論」を信じる仲間に囲まれ作家で名をなす
父親の葬儀では母親に寄り添い地域の慣習にできるだけ合わせた
そんな中で母親も慣習に苦しむ一人であることに気づく
そして母親を育てた祖母の生い立ち、生き方にまで考えが及ぶ
理不尽で旧弊的な価値観に抗い
「共同体」は個人の幸福のために、社会はもっとも立場の弱い者をみんなで支えるために存在すべきだという「正論」を考えを確信する

そしてこの作品について朝日新聞に掲載された批評について一波乱が起きていた
文章を命を削って書く人々のこだわりを改めて感じた

私はリベラルの仮面を被り?男女平等の考えに基づき行動しているつもりだが他人様にどう映るのだろう
主人公は仮面を被っていると中身も変わって行くと語っているが…

一作日はウルフムーン、曲はvelvet moon