楽しいはずの子ども時代
その幼少期に辛い暮らしを余儀なく与えられた哀しい物事を読む

内容
小学校に通わせてもらえず、日々の食事もままならない優真。男にばかり夢中でネグレクトを続ける母との最悪な生活のなか、手を差し伸べるコンビニ店主が現れるが──。虐待によって家族からの愛を受けぬまま思春期を迎えた少年の、乾いた心の在りようを物語に昇華させた長編。

劣悪な環境に育った優真の心は、児童相談所に保護され、里子として引き取られた後も、周りの人間と関わるごとに傷ついていく。
学校でも人間関係の作り方がわからず、周りになじめない。
「子どもたちのコミュニティーに入れない彼に『友だちができたか?』と聞くのは彼にとっては辛い事
人に寄り添うためにはその相手をよく理解できていないとできない
安易な言葉掛けは信頼関係がゆらぐ
母親との関係に対する裏切られた思いや、いらだちのようなものが虐待された彼を突き動かし予定調和で物語は締めくくられず驚きの衝動へ
彼の母親もその母から育児放棄されていた
負の連鎖はどこまでも続く
幼少期に愛されることが大切に違いない



もちろん大人になっても愛されたい