女性の生き方が色々な視点で語られ、また尊重されてきている今

この小説のような女性の生き方、価値観、男女の愛はどう評価されるのだろうか

自由に生きる女として評価されるのか、男に振り回される女として批判されるのだろうか 

内容

瀬戸内寂聴さん推薦

モデルに書かれた私(瀬戸内)が読み 傑作だと、感動した名作!! 

作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった。五歳の娘が将来小説家になることを信じて疑わなかった亡き父の魂は、この小説の誕生を誰よりも深い喜びを持って迎えたことだろう。作者の母も父に劣らない文学的才能の持主だった。 ...

 

白木(井上光晴)という一人の男を愛した女たち、はるみ(瀬戸内)と笙子(妻)

それを娘、海里(井上荒野)が書く小説のような現実

どちらかというとこの小説に登場する白木という作家寄りの生き方をする自分は世間から批判的もしくは面白おかしく評価されるに違いないと思っている

何とは無く許されてしまっているこの白木は二人の女性から淡々と?しかし深く愛されている

普通ならこの一人の男を愛した女性同士は反目するはずなのに、男を愛することでお互いに「戦友」のような存在になる

 

愛人であるはるみはある男と関係を持つ

 …

また会いたいと連絡があったけれど、もう相手にしなかった

はなから男には何の興味もなかった、寝ることができるかどうか試してみたかっただけなのだ

 

白木の妻笙子と娘海里の会話

「しかし相当にひどいよね、チチは」

海里はそんなふうに締めくくった

「後悔とかしたことないの?チチと結婚したこと」

娘には私の答えがわかっていただろう

「まあ、面白かったしね」


男女の愛は色々な形がある

深い愛情で結ばれた二人それが何故同じ男に対してであったのだろう

批判的に書かれていない不思議なそして深い愛情だった