初めて読む作家、あまり知らないドイツが舞台になるというところに惹かれて読んでみた

 

内容

あの日、たしかに二人は別れたはずだった。けれど僕らは同じ灯を見つける。何度でも、何度でも―。恋愛小説の名手による長篇。東京とフランクフルトを舞台に綴られる時を超えた純愛と、魂の救済の物語。

 

随所にドイツ人の平和主義、環境問題や自然保護に対する考え方が登場する

「ドイツ人の整理整頓好きは「時間がかかる上に金がかからない」からだ

「彼らの好きなことは時間がたっぷりとかかって金がかからないことをこよなく愛する」」と揶揄する編集長が登場する

彼らは異様にまで散歩が好きらしく

スペイン人が昼寝をしている間、イタリア人がワインを飲みながらパスタを食べている間、フランス人が愛を語り合っている間、ドイツ人はひたすら歩き続けるらしい(笑)

主人公はドイツで生活しているうちに、今まで仕事関連で朝まで飲み明かしていた暮らしをやめ人との距離を置くようになる

家の掃除をし、一日は散歩をし、四季を感じ取る努力をした、自宅で飲み、自炊をするようになった

ドイツで暮らさなくともできるが…

 

しかしこの小説の本筋は恋愛物語、生々しい性描写はそれぞれ二人の恋人の愛の深まりを表現しているのだろう

恋人の運命に翻弄され、また自分も翻弄し、別れた恋人に対する気持ちを引きずる切ない展開へ

いつまでも別れから立ち直れない彼を救うドイツ人の新しい恋人が登場する

新しい恋人をドイツに残し帰国するが、交通事故に会い意識を失い連絡が取れなくなった眠ったままの彼女と再会する

映画「レナードの朝」のような奇跡を起こし二人は未来へ向かう

主人公の彼の気持ちはまた元の彼女へ戻る、はるばる日本へ来たドイツの恋人はそれを泣きながらそれを許す、

このことを読んだ女性はどう思うのであろう

元恋人への思いが切なくなった彼は仕事も辞めて介護する献身的な男なのか、

自分を救ってくれた恋人を日本へ呼び寄せふってしまう都合がよい男なのか