飲食関係者の花見にご挨拶
さすが(笑)
そんな夜に
カズオ・イシグロ原作のドラマ『浮世の画家』を観る
物語の舞台は終戦から3年ほど過ぎた日本。主人公は高名な初老の画家。
焼け跡から徐々に復興の姿を見せていく街で、隠居老人の一見平和な日常生活が描かれていく。
愛すべき孫の訪問、なじみの飲み屋のママとの世間話、戦前からの旧友との邂逅
あるとき娘の縁談が持ち上がり、そこから周囲の視線の変化に気づきはじめる…。
確固たる決意で国のために尽くしてきた自分が、なぜ非難されなければならないのか。
その一方で、過去の影に滑稽なほどおびえる自分の弱さも認識していく…。
うだうだと吐く主人公の独り言はカズオイシグロの世界を感じた
主人公の主観で話は展開していく
思い込みや思い違い、そして場合によっては都合よく過去も塗り替えてしまう記憶を語る、真実はどれなのだろうかとミステリアスな雰囲気になる
そして渡辺謙がこの不思議な物語を重厚に魅せる
名を上げた人は世間から評価されるとつい思い上がった気持ちになる事がある
自分では謙虚になっているつもりが知らぬ間に、またつい、他人を傷つけてしまう
そして後に自分に不幸が降りかかってくることもありがちだ
娘の縁談話に自分の過去が影響してしまうこともある
謙虚に慎ましく生き方に憧れるが、若い頃にその気持ちが無かった
過去の自分の思い上がった態度が恥ずかしく、そして現在の自分に影響を及ぼしてしまう
そんな気持ちでドラマを見終えた
「あれは無し!」となかった事にしたい過去の多い事
過去だけでなく約束したことも忘れたくなることがある
