母の父、つまり祖父の想い出話をしていたところ
この物語に出会う
ヒロインの祖母が母の同年齢、祖父は台湾で働いていたというストーリー
母の叔父も台湾総督府で働いていたこともあり、実生活と重なる物語
入院した祖母を元気づけるため、32歳になった杉山未來は祖母の生地である台湾の古都、台南を訪れる。優しくてなぜか懐かしい国。そこで未來は戦前の日本人の涙と無念を知り、台湾人を襲った悲劇に驚く。そしてようやくたどり着いた祖母の生家は、地獄の家へと変わり果てていた。「わたしは誰も愛さないなんて生き方はしたくない!」
多くの国や民族が絡む複雑な台湾の歴史や、未來の出会った人たち、訪ねた場所でこれから彼女の生きる道の刺激となる
これは長女の物語でもある。祖母は「長女なんだから」と言われ続けて、家族のなかで理不尽な扱いを受けた。90歳に近くなっても、亡くなった母親への怒りを捨てられずにいる。3人の子どもたちは、できるだけ公平に育てたつもりだが、なぜか末っ子である長女だけは思うようにならなかった。家族が抱える業や長女の呪縛。台湾と日本の間にあるのも、業に似たものなのかもしれない。
ここで描かれているのは日本と台湾の家族の姿だが、それと同時に、人と人とのつながりが呼び起こす懐かしさ、人と心を通わすことの奇跡が温かく描かれている。
食文化や自然界の生き物が台南らしさを引きだす
台南ならではの碗粿(ワーグイ)を、魚羹(サバヒースープ)
台南の野鳥ぺタコ
欖李(ランリー)が雪のように見えた
今台湾は総選挙前お祭騒ぎ