2人の先輩 | こころとからだを癒す茂原の医師のブログ

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あたまとこころとからだをテーマに
日常生活や診療での気づきを綴ります.

みなさん、こんばんは。

こころとからだを癒す

茂原(もばら)の医師 

永野 修です。

 

 

2人の先輩

 

「なるほど、そのように思えばよいのか」

 

8月末、ふとテレビを点けたところ

NHKスペシャルが放送されていました。

 

「この島で 最期まで

~礼文島・父子でつなぐ医療~」


https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pGkYBo4eZR/

 
 
 

 

北海道の礼文島がドキュメンタリーの

舞台でした。この島は人口が約2300

人。そして、そこには医師が2人しかい

ません。

 

その1人は利尻島で30年以上も医師を続

けてきた升田鉄三先生、もう1人は2年

前に島に戻ってきた息子の晃生先生。

 

この父から子へ島民を守る医師として

の想いを伝えていく。それも言葉では

なく働く姿を通じて。

 

そのような内容でした。

 

そして父の鉄三先生は定年退職を迎え

るタイミングでもありました。

その鉄三先生に取材班がこのような質

問をしていました。

 

=================

「先生にとって島の人たちはどんな存

在ですか?」

 

「大げさな言い方かも知れないけど、

家族の一員というような感じ。自分の

兄弟、親だったら、おじいさん、おば

あさんだったらどういう対応をするの

かっていうのを、常に心がけて診療す

るのが大事だと教わっているので、そ

れを実践していますね。なんとか」

 

「大変じゃないですか?家族が大きい

と」

 

「そうでもないです。十分に期待に応

えられているか分からないけれど」

=================

 

この場面を見ていて、僕の心の中で何

か変化があったように感じたのです。

 

実は8月中旬に新型コロナウイルスに感

染し、10日間の自宅療養を課せられて

いました。発症から5日間は高熱と喉の

痛みに襲われてとても辛い状態でし

た。ただ、そのような中でも訪問診療

はオンライン診療で代用して何とか休

診にはしないで乗り切ったのですね

(この間、沢山の人に助けられました。

本当にありがとうございました)。

 

ただ、その後は身体的、精神的に疲れ

が出たようで、ネガティブな想いが

湧いてくることが度々あったのですね。

 

今、徐々に増えてきている患者さんへ

の対応は十分にできているのだろう

か。そして、これからも増えていく患

者さんたちをしっかり診ていけるのだ

ろうか。もし、自分の許容範囲を超え

た場合はどうしたらよいだろうか。

 

その一方で自分の生活はどうなるのだ

ろうか。自分の能力のギリギリまで患

者さんを診た場合、果たして仕事以外

の自由な時間を持つことはできるのだ

ろうか。

 

そのようなことを、ちょうどそのころ

考えていたのですね。

 

ただ、この番組を見ていて気付いたの

です。

 

「なるほど、そのように思えばよいの

か」

 

みんな家族の一員。

自分が診療する茂原市に住む人たちは

全員が家族。そう思えばいいのだ。

 

家族であれば、あのようにしてあげた

い。このようにしたい。いろいろな想

いが次々に湧いてくる。そして無理す

ることなく自然と行動ができてくる。

 

そのようなことに気づいたのです。

 

そして、先日、このことを茂原で働く

先輩医師に話してみたのです。

 

「そうだよ、先生。みんな家族。

そう思ったら何でもしてあげたくなっ

ちゃうでしょう。そしてね、患者さん

を家族って思うからこそ、無理して頑

張る必要もなく、自然体で良いし、反

対に甘えちゃうこともあってもいいと

思うんだよね。例えば「今忙しいから

ちょっと待ってもらうけどいいか

な。」とかね。」

 

なるほど、家族だから甘えることもで

きるのか。なるほどね。

 

また愉しく生きるコツに気づくことが

できました。2人の先輩に感謝ですね。

 

最後まで読んでいただきありがとう

ございました。

 

あなたの明日が

素晴らしい一日になりますように。

 

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