みなさん、こんばんは。
こころとからだを癒す
茂原の医師
永野 修です。
「止揚」が今日のテーマです。
2月から上昇学で学ぶようになり、
初めてこの言葉を知りました。ドイツ語
ではアウフヘーベンといいます。
問題を問題にしない方法、それが止揚
することだそうなのです。
弁証論、テーゼ、アンチテーゼ、ジン
テーゼなどが関連する言葉のようです
けれども、ちょっと哲学的で難しいかな
と当初は思っていました。
ただ、それが
「問題を問題にしない方法」
とSHOWGOさんのブログで書いて
いましたので、それならば、どうにかして
理解してみたいと思うようになってきた
のです。
そして、いよいよ覚悟を決めて今日その
テーマに取り組んでみることにしました。
ブログの中でSHOWGOさんはこのように
説明してくれています。
Aの事象とBの事象が異なる、相反する
ものだとします。それをAとBを並べて、
俯瞰してみて、Cというもっと大きな目
を持って一緒にしてしまうことを
言います。
例えば相反するもの、演歌とロック?
WindowsとMacintosh?、
演歌とロックは相反するものというか、
違うものですよね? それを「音楽」
という視点で一緒くたんにしてしまう
のです。
WindowsとMacだったら?
「パソコン」でもいいですね。
さて、それをどう役立てるかが重要な
ことになります。例えば、予定を立てる
ときに「止揚」を使うと、生産性が
数百倍に上ります。
簡単に言うとまとめる。というわけで
なく、相反するものでも違う視点で
見て、止揚するということです。
100個の予定が、10個になり、
5個、3個、2個という風に結局は
50分の1の作業になります。
時間がない、忙しい、いっぱい
いっぱいと言っている人は単に、
これができていないだけです。
ものすごく腹が立つことがあった
としても、止揚して考えれば、
俯瞰して見れますよ。
これが僕が考える
「問題を問題にしない方法」です。
さて、この解説を読んで、それなら
自分の仕事に当てはめてみようと
止揚してみました。
なぜなら、この1週間、僕は自分の
夢が鮮明に見えるようになってきて
いて、その夢と現実のギャップに
気持ちが沈んでしまうことが多く
なってきたからですね。
今の自分の状況が問題にならなく
なるのだとしたらそれは本当に
ありがたいことなんです。
早速、ホワイトボードを持ち出して、
そこに自分の仕事の内容を大まかに
書いてみました。
・外来診療
・治療(放射線治療)
・委員会
・当直業務
・救急診療
・多職種とのミーティング
そして、この6つの分野を2つずつ
にまとめて、さらにそれをまとめて
と書いていくと、このようになり
ました。
どうやら、僕にとって、外来と治療は、
患者さんや家族のカウンセリングという
意味でひとくくりになりました。
さらに委員会やミーティングは参加者と
のコミュニケーションを図るということ
であるし、当直業務と救急診療は緊急の
対応というくくりになりました。
さらに、カウンセリングと
コミュニケーションをとるということは、
どちらも他人と会話をすることから
始まりますので、どちらもコミュニ
ケーション能力を上げるものであって、
さらに緊急対応とコミュニケーション
能力を上げることは、どちらも相手の
状況を瞬時に察知して対応すること
ですので、感性を磨くものと連想されて
きました。
そうなると、
自分の仕事は全て自分の感性を
磨くために行っているもの
とまとまったわけです。なるほど確かに
仕事では良いこと悪いこと嬉しいこと
イライラすることなど様々なことが
おきますが、すべて自分の感性を豊かに
するためのことなんだと思うと、とても
スッキリした気分になりました。
それならば、ふと思い浮かんできた
「感性」という言葉を詳しく理解したく
なり、さらに調べてみるとこう書いて
ありました。
感性とは、何かを見たり聞いたりした時
に深く心に感じ取ることや、感覚的に
物事に対して感じていることを表して
います。人の気持ちを感じる力や場の
空気を読む力、芸術性やファッションセンスなども感性の一例として挙げられ
るでしょう。
これは感受性と似た言葉であるものの、
それとはこのような違いがあると
書かれていました。
「感受性」は主に情緒的感情を起こす力
で、「感性」は感情を理性に変える力の
こと。わかりやすく例えると、沈む夕日
を見て涙ぐむのは「感受性」で、感じた
ことを詩や音楽として表現する力が
「感性」になります。
なるほど、納得です。とくに
「感性は感情を理性に変える力」の一文
に、自分の診療を重ねてしまいました。
診療では、命に関わる病気を診ることも
あるので、喜怒哀楽の感情が湧き上がっ
てきます。僕の場合は子どもの診療に
当たるときなどは、自分の息子たちと
重ねてしまい、どうしても心が動かされ
てしまいます。ただ、その感情に流される
ことなく、理性を働かせて、患者さんの
ために診療にあたる。
まさに、感性を磨いていると思ったの
です。
では、仕事が感性を豊かにするトレーニ
ングの場であるとしたら、仕事以外の
私生活ではどうなのだろうか。
私生活を
パートナーシップ、子育て、自分磨きと
考えてみると、これらも、妻や息子たち
とのコミュニケーションであったり、
自分との内部対話であったり、いずれも
コミュニケーション能力を上げるための
場であって、それらも行きつけば感性を
磨くことになると気づいたのですね。
どうやら僕にとっては仕事も私生活も
感性を磨く場であって、
つまり僕にとって
生きることは、
感性を豊かに育てること
具体的には、生活するなかで、自分の外の
世界からの情報を五感(視覚、聴覚、嗅覚、
味覚、触覚)でキャッチして、その情報に
対して自分の中から湧き上がってくる
感情(うれしい、悲しい、イライラ、
たのしいなど)に気付くこと
(これは感受性が豊かでないと分から
ないのですね、4年前の僕は感受性に蓋
をしていたので、何も感じませんでした)
そしてそれを自分の理性を使って
表現することなんだろうなと思いました。
もしかすると、それって自分の息子たち
やペットの猫が自然にやっていること
なのかもしれません。
こどもや動物を見ていると、喜怒哀楽を
本当に自然な形で体を使って自由に表現
していますからね。
感性が豊ってこういうことなのかも
しれませんね。
さて、長くなりましたが、
ようやくまとまったようです。
僕は、仕事であっても私生活であって、
同じ目的を持っていて、つまり、
「感性を磨くために
生きている」
これが分かってとてもがスッキリ
しています。
どうやら、今回のテーマ「止揚」は
図らずも、自分の人生の核心に行き
つくことになったのかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとう
ございました。
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