病の役割 | こころとからだを癒す茂原の医師のブログ

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あたまとこころとからだをテーマに
日常生活や診療での気づきを綴ります.

みなさん、こんにちは。

こころとからだを癒す

脳神経外科ドクター

永野 修です。

 

 

今日は

生老病死の『病』がテーマです。

 

先日、

患者さんの診療を終えた

夕方に

ふと思い浮かんだことが

あったのです。

 

私は

今まで20年間

医師として、

そして

脳神経外科医として

病を治す術を学び、

実践してきたけれども

 

病なんて

なければそれに

越したことはない。

(そうなると

私の仕事はなくなりますが、

それはそれで良いのです。)

 

それが

わざわざ生じてくるのだから

何か意味があるのだろう。

 

もし私たちの人生において

病に何か役割があるとしたら

なんであろうか。

 

以前にも

病についてブログに書いています。

 

『健康は誰が決めるもの?』

https://ameblo.jp/osamu3150/entry-12412810009.html

 

その中で

「客観的な健康」

「主体的な健康」

という言葉をきっかけに

健康というものは

誰かに

お墨付きをもらうものではなく

自分で

主体的に決めてもよいのでは

ないだろうかとまとめました。

 

そして

『答えの半分は皮膚を越えた先に

ある.その2』

https://ameblo.jp/osamu3150/entry-12448403410.html

では

 

陰陽の考え方(太極図)に

健康と病気を重ね合わせて

捉えるようになりました。

 

 

そして

健康と病気は必ずしも白黒はっきり

と線引きできるものではなく

その人の体調のリズムの中で

良し悪しのどちらかの要素が

強いかで決まるようなもの

と考えてもよいかもしれない。

 

と書きました。

 

これらは

健康と病気を対比して

書いています。

 

ただ

病と私たちの人生との

関わりについて

俯瞰してみると

 

病は

医師によって

手術をされたり

投薬をされたりして

治療されるだけのもの

ではなく、

 

その人へ

何かを

伝えようとしている

のではないだろうか。

 

それは

自分が

結節性紅斑という病気を通して

気づいたことがあるので

そう思うようになったのです。

 

このことは

『こころと体のちからを信じる.その1』

https://ameblo.jp/osamu3150/entry-12405612736.html

に書いてあります。

 

そして

生老病死とは

仏語。避けることのできない

この世での人間の4種の苦悩。

生まれること、老いること、

病気をすること、死ぬこと。

四苦。 大辞泉より

とあるように

病は仏語でいう四苦の一つで

 

私たちは

生きている以上

どこかの時点で

何らかの病は

経験せざるを得ないのであって

 

それを避けようとするのではなく

むしろ

病の苦のありのままを

そのまま受け取り、

 

その体験を深めることや

そこから何かを見出すことが

できたのなら

それが人間性の向上に繋がると

仏教は説いているのでは

ないだろうか。

 

例えば

病気になって初めて健康の

有難さがわかったとか

人の優しさを感じたとか

などもそうかもしれません。

 

実際に私は

現在の診療を行うようになって

12年間で3000人ほどの

癌患者さんを診療してきて

病の捉え方を見ていると

 

当然のことかもしれませんが、

千差万別でいろいろな想いが

あることに気づいてきました。

 

例えば

病を

深刻に毎日考え込んでいる方や

他人事にように淡々と話す方、

そして

病と向きあって、その病が

どのようなものかを受け止めて、

残りの人生をどうすごしたいのかを

自分に問いただして、

それを実践されている方など

 

もし自分が

不治の病を罹ったとしたら

このような穏やかな心境で

毎日が過ごせたらいいなと思う

患者さんに出会うことも

たびたびありました。

 

そして

私が医師として

たくさんの患者さんから

病の苦に対する想いを

聞かせてもらえるような

尊い経験をしている

この人生において

 

自分の役割とは何かを

あらためて考えてみると

 

これから

自分が

するべきこと、

したいこと、

 

そして

自分が

どうあるべきか、

どうありたいか

が見えてきたように思います。

 

どのようなものであるかは

次回に書きますね。

 

最後まで読んでいただき

ありがとうございました。