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マドリードの骨董屋めぐり

今日は朝から、大橋巨泉さんたちと一緒にマドリードの骨董屋さん巡りです。
「何でも鑑定団」を良く見ている人なら、しょっちゅう、貴重な品を持って出演していますので、

文句なく頷けると思いますが、巨泉さんは、番組の鑑定士、中島誠之助さんも舌を巻くほど、

掘り出し物を探り当てる名人です。


ブダペスト(ハンガリー)で30万円で買った古伊万里の大皿が、鑑定団で500万円の値が付いたこともあります。

この時は、マドリードにも立ち寄って下さったので、その購入の顛末を直接お聞きすることが出来ました。

何と、その代物(しろもの)を、日本の自宅にまで送ってくれと、現地の運送業者に委託したのです。
さすがは大橋さん、太っ腹と思う反面、ちょっと心配でもありました。
ただ、ホテルに品物を受け取りに来た人が、汚いジーンズを穿(は)いていたと聞き、

私は、それで安心しました。といいました。理由は簡単です。

人を騙そうと思えば、警戒されないように、まずは身だしなみを整えてやってくるのが常套だからです。
もちろん、破損もせず無事に届いたのはいうまでもありません。


今回は、ある店で素晴らしいフランドル派の絵を見つけたのですが、値段が日本円にして800万円ほどしました。

ちょっと高めなので購入はしませんでしたが、恐らくは掘り出し物でしょう。

店の人も、数日前に450万円なら、とオファーがあったのだが、とんでもない、と断ったそうです。大橋さんも、その程度なら俺でも買う。といっていました。


素晴らしいものが一杯並んでいて、久しぶりに目の保養をしましたが、寂しいことに、最近の世界同時不況下です。

ちょっと行かない間に、他の業種に鞍替えしたり、シャッターを下ろしたままの店、

在庫整理の張り紙や店の権利譲ります。という張り紙が目立ちました。


恐らく、営業を続けている店は、全体の50%にも満たないように思います。
多少状況が変わっても、元のような活気を取り戻すことはまずないでしょう。
大橋さんも、不況になって一番影響を受ける業界だからね。としみじみとしていました。


スペイン好きですか?-Puente del Arzobispo
Puente del Arzobispo
19世紀の油壺

マドリードの食べ歩き

5月16日(22;00) 日本時間(17日05;00)


大橋巨泉さんご夫妻は、今朝からカナダのお客さんをご案内して、「王宮」や「ソフィア美術館」を巡られたそうです。

ソフィア美術館は、正確にいうと「ソフィア王妃芸術センター」ですが、ピカソの最高傑作「ゲルニカ」が展示されていることで知られています。

どれほど美術音痴の人でも、ピカソ、ゲルニカという言葉は記憶にあると思います。マドリードに来られたら、絶対に立ち寄ってください。

プラド美術館の閉館日(月曜日)も開いているので便利です。

ピカソやゲルニカについては、インターネッの検索機能を使えば、たちどころに分かりますので、あえて、ここで説明する必要は全くありません。


夕方からは、「プエルタ・デル・ソル」、と呼ばれるマドリードの中心広場付近に広がる居酒屋のはしごに出かけました。

食べ歩きで、という人もいれば、飲み歩きという人もいます。

居酒屋の呼び方は、バール、メソン、セルベセリーア、タベルナ等々いくつもありますが、飲み物や食べ物の内容は大同小異です。

一度、ウイットに富んだお客さんから、セニョールT、食べるところなのに、どうしてタベルナなんですか?ときかれたことがあります。私も負けてはいません。それはタベルナ、飲めということですよ、と答え大笑いになりました。よって、主体は食べることでも、飲むことでも同じです。


蚤の市と同じ理由で、旅行会社のツアーではまず進めない裏町ですが、その街の本当の魅力は、人々の生活観が溢れるこんなところにあります。


大橋さんは、2005年に「パリ・マドリード二都物語」(講談社)を上梓されていますが、

そのなかで、バールのはしごを絶賛され、詳しく述べています。

そんな一軒、「ラ・リア」というムール貝の専門店に入りました。

スペイン好きですか?

ご著書の中で、マドリードのレストラン・バールは合計で6軒しか紹介されていません。良く知られるように、大橋さんは超グルメであり、本当にお気に召さない限り、人に勧めることは絶対にありません。

その大橋さんのお墨付きのバールです。

料理といえるかどうか分からないほどシンプルで、スペイン北西部のガリシア地方(ポルトガルの真北)から運び込まれたムール貝をそのまま茹で上げ、独特のソースをかけて食しますが、このソースに美味さの秘密があります。

皆さんは、3杯酢に唐辛子を混ぜたような味と評していましたが、確かにそんな味は感じますが、何かを隠し味に使っています。

私も自宅で散々試してみましたが、その味は出せません。もちろん企業秘密ですので教えてはくれません。


全員(5名)の美味しい、美味しいの大合唱のなか、あっと言う間に5皿を平らげました。


どこの都市でもそうですが、日本のように、安全と水はただという考えは外国では捨て去り、自己管理さえしっかりしていれば、危険な場所では絶対にありません。

サン・イシドロ祭

5月15日(23;00) 日本時間5月16日(06;00)

今日はマドリードの守護神、聖・イシドロ祭のため休日です。

私の愛犬「チビ」の命日でもあります。

13年前、13歳で亡くなりました。


愛犬がなくなり、落ち込んでいた私を、慰め、励ましてくださったのは、やはり愛犬を亡くされた経験のある大橋巨泉さんご夫妻です。


大橋さんご夫妻とは、10年以上の長いお付き合いですが、偶然にも今日、マドリードに到着されました。

ご夫妻は、何度もスペインに来られているので、特にこれという目的はないのですが、「蚤の市」に行こうと言い出されました。

これまたギックとしました。

13年前に13歳で亡くなったということは、26年前になりますが、実は、その愛犬「チビ」を買ったのがこの蚤の市だったからです。

もちろん、今はペットの類をここで販売するのは禁止されているのでお店はありませんが、その前を通るとき、思わず手を合わせてしまいました。


「蚤の市」は、スペイン語で「ラストロ」と言い、どの案内書にも紹介されている観光スポットです。

昔は、骨董市と呼ばれ、ゴヤの真作が発見されるなど、虎視眈々と掘り出し物を狙う好事家の集まるところでしたが、今はすっかり様変わりし、廉価な日用雑貨や手作りの民芸品、手芸品を扱う出店が大半を占め、通りは大混雑しています。


値段の一例ですが、2月にブエノ・スアイレスを訪れたとき、ARGENTINA(アルゼンチン)と刺繍のされた一見高そうな野球用のキャップが、5ユーロ(550円)で売られていたので、これは安いと、迷うことなく買い求めました。

ARGENTINAの部分がSPAINに変わっただけの物が、ここでは2ユーロ(220円)でした。

折から日ざしが強くなってきたので、大橋さんは迷わず購入しました。


残念ながら、日本からのツアーのお客さんは、蚤の市を見る機会は多くありません。

日曜日と祭日だけに開かれることと、グループで押し寄せるようなところでもなく、自由時間を作って個人的にというのも、治安の問題が喧伝されているとして、旅行会社では余り進めないようです。