「トレインスポッティング」「28日後...」のダニー・ボイル監督が、インドを舞台に撮り上げたバイタリティに満ちあふれた社会派エンタテインメント大河ラブ・ロマンス。原作はヴィカス・スワラップの『ぼくと1ルピーの神様』。日本でもお馴染みのクイズ番組で史上最高額まであと1問と迫ったスラム育ちの青年が語る過酷にして波瀾万丈の生い立ちが、多彩な要素を巧みに織り込みつつスリリングかつ躍動感いっぱいに描かれてゆく。世界中で数々の映画賞を獲得し、ついにはアカデミー賞で作品賞を含む最多8部門を受賞する快挙を成し遂げた。
インドの国民的人気番組“クイズ$ミリオネア”。この日、ムンバイ出身の青年ジャマールが、次々と難問をクリアし、ついにいまだかつて誰も辿り着けなかった残り1問までやって来た。ところが、1日目の収録が終わりスタジオを後にしようとしたジャマールは、イカサマの容疑で警察に逮捕されてしまう。スラム育ちの孤児でまともな教育を受けたこともないジャマールがクイズを勝ち抜けるわけがないと決めつけ、執拗な尋問と拷問を繰り返す警察。ジャマールは自らの無実を証明するため、これまでに出された問題の答えは、すべてストリートで生きながら学んだと、その過酷な過去を語り始めるのだったが…。
今更ながら感想書いてみる。かなり前に見たんだけどね。ダニー・ボイルのスタイリッシュな映像とインドのスラム街の子供たちの物語が見事にバランスよく合わさっていて、一気に飽きることもなくラストまで見せてくれる。この作品は正直、目新しくもなく映画的なエンタな作品だが、今の時代に一番必要なものを教えてくれ、とても気持ちの良い終わり方をしてくれる。何度も見たくなる映画だ。
ハリウッドがネタ不足という事は前から言われているが、監督のさじ加減ひとつでこんなにも面白い映画になるものなんだな。監督や脚本家は、現代の映画の問題点を指摘された気分ではないだろうか?多分、この映画が現代の映画指南になっていくと思う。この映画のように太いベクトルで貫かれて最後まで見せてくれる作品が多く作られていくことを望む。でも勘違い映画もたくさん作られるだろうけど。(笑)まぁそれが映画の楽しみでもあるけどね。