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前回、ちょっと変わったマウントアダプターの話、「マウントアダプターで盗難防止」を書きましたが、今回は具体的に Fringer FR-EFTG1 マウントアダプターについて書きたいと思います。
Fringer FR-EFTG1 とは
Fringer FR-EFTG1は、富士フイルムのGマウントラージフォーマットカメラGFXシリーズにキヤノンEFレンズを取り付けて使用するマウントアダプターです。
GFX100, GFX100Sに搭載されている位相差AFやボディ内手ぶれ補正機構に対応しているので、違和感なくEFレンズが使えます。
◾️適応ボディ
FUJIFILM Gマウントボディ
(GFX100, GFX100S, GFX50S, GFX50R, GFX50S II)
◾️適応レンズ
Canon EFマウントレンズ
◾️価格
69,300円(税込)
焦点工房オンラインストア 2023年8月11日現在
◾️本品の特長(メーカーHPより)
- EFレンズとの組み合わせで、AE/AF撮影が可能
- GFX100シリーズの位相差AFに対応 (※1)
- 動画AFおよびコンティニュアスAF(AF-C)に対応 (※1)(※2)
- 「顔検出」「瞳AF」に対応
- アダプター側の絞りリングで絞り制御、撮影モードの切り替え(※3)可能
- レンズ内の手ブレ補正機構(キヤノン「IS」、シグマ「OS」、タムロン「VC」)に対応
- ボディ内の手ブレ補正機構に対応
- 倍率色収差(横色収差LaCA)自動補正機能搭載 (※1)
- 撮影した画像の焦点距離、露出などの情報はExifデータとして記録
- アダプター内部の植毛加工により内面反射を制御
- カメラ側マウント接合部にラバーリングを採用
- PC端末とのUSB接続で、ファームウェアのアップデート可能
※1 メーカーオフィシャルサイト内に記載の対応レンズのみ有効
※2 位相差センサー搭載カメラGFX100、GFX100Sのみ有効
※3 撮影モードの切り替え機能はGFX50S・GFX50Rのみ対応
◾️商品ページ(焦点工房)
購入までの経緯
私がGFX100を購入した時は、既にGFX50シリーズ発売から時間が経っていて、GFX50シリーズのコントラストAFに対応した電子接点付きマウントアダプターが既に販売されていました。
これらの中にはまだGFX100の位相差AFとボディ内手ぶれ補正に正式対応したものはありませんでしたが、これらはファームウェアを更新することができるとアナウンスされていたので、そのうちGFX100に対応するファームウェアが公開されるだろうと考え、購入したのが下記2機種です。
・SHOTEN EF-FG01
・KIPON EF-GFX AF
これらはAFが遅かったり、ボディ内手ぶれ補正をOFFにできなかったり、いくつか不具合がありましたが良く使いました。
が、いつまで待っても新ファームウェアが公開されずとても不便だったので、結局、あとから発売された Fringer FR-EFTG1を追加購入しました。
以下に本品の大きな特長である、位相差AFとボディ内手ぶれ補正対応について解説します。
位相差AF対応
以前から持っている SHOTEN EF-FG01と KIPON EF-GFX AFはGFX100, 100Sの位相差AFに対応していません。
従って、これらと比較するとすぐにそのAFスピードの違いが分かります。
Fringer FR-EFTG1はGFレンズほどではないですが、十分満足できる早さでフォーカスが合うので快適です。
ボディ内手ぶれ補正対応
ボディ内に手ぶれ補正機構を持つGFX100, 100Sは、付けるレンズによって基本的に以下のような動作をおこないます。
(FUJIFILM GFレンズの場合)
①レンズ内手ぶれ補正レンズ<OIS ON/OFFスイッチあり>
→ レンズの手ぶれ補正が機能し、手ぶれはレンズのスイッチでON/OFFする(ボディの手ぶれメニューはOFF)
②レンズ内手ぶれ補正レンズ<OIS ON/OFFスイッチなし>
→ レンズの手ぶれ補正が機能し、手ぶれはボディのメニューでON/OFFする(ボディの手ぶれメニューはON)
③レンズ内手ぶれ補正のないレンズ
→ ボディの手ぶれ補正が機能し、手ぶれはボディのメニューでON/OFFする(ボディの手ぶれメニューはON)
従って、EFレンズを付けたマウントアダプターも、そのレンズが①②③のどれにあたるかを正しくボディに伝えないとカメラがおかしな動きをします。
Fringer FR-EFTG1もメーカー公表の対応レンズであれば問題なくこのように手ぶれ補正が働きますが、対応リストにないレンズを付けた場合は、レンズ側とボディ側両方の手ぶれ補正がONになったり、レンズ側のOISスイッチをOFFにしてもボディ側の手ぶれ補正がONのままになったり、ボディの手ぶれ補正メニューの表示が定まらなかったり、といったことが起きました。
必ず対応レンズであることを確認して使用しましょう。
GFX100S + FR-EFTG1
+ EF 100-400mm F4.5-5.6L II
購入して良かった点・悪かった点
「良かった点」
良かった点はメーカーが公表している特長すべてですが、中でも「位相差AF対応」「ボディ内手ぶれ補正対応」はとても嬉しいです。
また、マウントアダプターに絞り環が付いているので、これを使用することで絞り環がないEFレンズに絞り環ができて、まるでGFレンズと同じ感覚で使うことができる点も良いですね。
「悪かった点」
これは仕方ないですが、EFレンズはラージフォーマットのイメージサークルに対応していないため、当然GFX100, 100Sではクロップ(35mmフルサイズ相当)して使用することになります。
それでも6,000万画素あるのでメリットはありますが、3,000万画素分を捨てていると考えるとやはり勿体無い気持ちになります。
総括
総括として、GFX100, 100Sで使用するとクロップしても6,000万画素というCanonには無い画素数で使用でき、幅広いラインナップのEFレンズを使用できるメリットが大きいこと。他のボディとEFレンズを共通使用して軽量化を図ることができること。AFがかなり正確であること。こうした点を考えると、購入価値ありと言えるでしょう。
また、価格は若干高いですが、動作も安定しているので不安なく使用でき、私はとても重宝して使用しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。