会議での意思決定のデメリットとは? 

 

前回(- No.20 -)は全員参加型の会議のメリットについて紹介した。今回は会議を通じて陥りやすい欠点を紹介したい。これも違った視点からとご理解頂きたい内容である。

 

組織には通常、集団にはリーダーが必要だ。リーダーが不在では以下買いが収まらず、決断もなされない恐れがある。ここで会社員に着目してみよう。会社員にとって重要な決断の多くは会議でなされる。会議を開くことそのものには当然意義がある。近年の研究により明らかになっているのは、「会議は破滅的に非効率」なのだ。

 

米ケロッグ経営大学院リー・トンプソン教授によると、「喫煙がガンを誘発する以上に、会議は惨憺(さんたん)たる結果を招く」らしい。教授が言うには「一般的に4人グループの場合、そのうち2人が発話の62%を担う傾向にあり、6人グループなら、3人で70%となる。この支配傾向は、集団が大きくなればなるほど強くなってくる」。さらに「面白いのは、自分ばかり話している人が、その傾向に全く気づいていないこと。原因は彼らの認識不足で、そのため人から指摘されると腹を立てて、いざこざに発展することもある」と言う。

 

以上を踏まえて考えてみると、たいていの会議は目的を果たせず機能不全に陥っていることがわかる。参加者の多くは発言をせず、地位の格差で方向性が決まる。参加者は言いたい事を言わず、リーダーが聞きたいであろう事を言う。その結果、重要な情報を共有し損なう。こうした現象は「情報カスケード」と呼ばれている同じように、2人以上の人が同じような答えを出すと、次の人はそうなのかも知れない」という壱岐市が働き、「右に倣え」とばかりに従いだす。「バンドワゴン効果」と呼ばれている。

 

これらの効果がなぜ生まれるのか? 「自分が違う答えを出して和を乱す人間だと思われたくないから」で、他人の答えを正しいと思っているわけではない。こうなると、互いを修正し合うことなく、特定の意見に同調して一方的に流れ出すと、それがひどい間違いであっても、自分たちの判断は正しいと信じ込むようになる。ほとんどの場合、集団の失敗は「会議したにもかかわらず」ではなく、「会議をしたからこそ」起こっている。複数の人間が討論し合うことや違う意見を聞き合うことが重要で、そのために会議が開かれているはずだ。

 

この研究結果は米国の結果であることも考慮に入れて欲しい。欧米人と比較すると、そもそも日本人が会議で発言する人は圧倒的に少なく、黙って聞いているだけの人が多いからだ。

会議のデメリットをきちんと理解して対策を講じておく必要があると思う。

 

おさむちゃん