手段が目的になっていませんか!? 

 

最近気になっている事があります。それは目的と手段の関係です。本来、目的を達成するための手段のはずなのに、なぜか手段があたかも目的になっているかのごとく振舞われている気がしてなりません。もしかしたら、僕が間違えているのかも知れませんが。。。

 

目的:生産性向上  手段:会議  会議する事が目的になっていませんか?

目的:病気を治す、治癒  手段:薬を飲む  薬を飲む事が目的になっていませんか?  治れば薬は必要なくなるはずです。

目的:痛みのない生活を送る  手段:一時的に保護具を使う(コルセット・サポーターetc)  治れば保護具は必要なくなるはずです。

目的:神様に感謝する  手段:参拝  参拝し一方的に神様に願いを叶えてもらおうとしていませんか?

 

・認知バイアス

「人は見たいものしか見ない」:ユリウス・カエサル

「人間は自分の聞きたい言葉しか聞かない」:ゲーテ

・後知恵バイアス

「完璧な人間はいない。後になってから、そう思っていたんだと、いとも簡単に自分の意見を変える。」

 

 

おさむちゃん

 

高タンパク質/低炭水化物食の影響について 

肥満、2型糖尿病、心臓病、脳卒中、認知症、癌などの病気の発症率は、加齢と共に急激に上昇する。摂取カロリーを最大で4割ほど減らすことで、全ての動物種は寿命を延ばすことができると言うことを聞いたことがある人もいると思う。カロリー制限と老化の研究には長い歴史がある。酵母細胞からミミズ、ハエ、サルに至るまで多くの生物について、カロリー制限が寿命を延ばしたと言う報告が相次いでいる。

 

ヒト(やマウス、ハエ)の生理的機構の中心には、2つの対立する生化学的経路がある。1つ目は「長寿経路」、もう1つは「成長・繁殖経路」である。これら2つのシステムは互いに制御し合う関係にある。一方が機能している時は、他方は機能しない。食料と栄養が不足すると、長寿経路が作動し、成長・繁殖経路は停止する。細胞とDNAの修復・維持システムが活性化し、動物の健康を維持する。断食が長寿につながると言われている由縁である。当たり前とも言えるが、食糧が不足していると、成長しないし繁殖能力も不足する。食料が豊富だと、成長・繁殖経路が発動し、その代償として寿命は短くなってしまうという事だ。

 

摂取カロリーが一定の場合で、タンパク質と炭水化物委の比率を変えた場合どうなるのだろうか? 高タンパク質/低炭水化物食は、確かにダイエットには有効であるようだ。但し、ハエやマウスの実験によると、ある欠点が確認されている。それは「寿命」である。マウスの例では、低タンパク質/高炭水化物食ではテロメアがより長く、より長生きした。高タンパク質/低炭水化物食のマウスは、テロメアと寿命が長かった。テロメアの長さと寿命には相関があると報告されている。この結果を受け、「だったら、肥満の方が長寿になる」と解釈するのは「勇み足である」と言っておこう。

 

「ブルーゾーン」と呼ばれる世界の超長寿地域に暮らす全ての人が、ある共通したパターンの食事を摂っている。ブルーゾーンで最も有名なのは、日本の沖縄の人々である。沖縄は100歳以上の人口割合が他の先進国平均の5倍である。サツマイモと葉物野菜を中心に、少量の魚と赤身肉を組み合わせた伝統的な沖縄食のタンパク質比率はわずか9%(食糧難の地域を除けば世界最低水準)、炭水化物が85%、そして脂肪がわずか6%である。厚生労働省の指針では、PFC(タンパク質/脂肪/炭水化物)バランスは2:2:6なので、これは高炭水化物/低タンパク質・低脂肪食であることが分かる。長寿かつ伝統的な沖縄の食事を摂っている人は、肥満とほぼ無縁であった。その理由の一つは、食事の食物繊維含有量が高いからである。これはとても重要な事だ。食事に十分な食物繊維が含まれると、カロリーの過剰摂取を駆り立てるタンパク質欲を抑えられる。食物繊維は胃で膨張し、消化速度を遅らせ、腸内微生物の餌になる。これら全てが組み合わさって、空腹感を抑える効果がある。

 

つまり、食物繊維を豊富に摂取し、高炭水化物/低タンパク質・低脂肪食で、タンパク質欲に打ち勝ち(ファスティングも加えるなど)摂取カロリーを抑える事ができれば、(あなたにとって最長の)長寿になれると言うことになる。高タンパク質/低炭水化物食でダイエットに成功した方が、生活習慣病から生じるリスクを回避できて、肥満でいるよりも長生きできると言う考え方もあるだろう。

 

「人は見たいものしか見ない」:ユリウス・カエサル

「人間は自分の聞きたい言葉しか聞かない」:ゲーテ

Good Luck to you!

 

おさむちゃん

 

人間だとどうなるのか!? 

肥満増加の原因は、一般的に考えられている通り、脂肪や炭水化物なのだろうか? なにしろ肥満の世界的流行を引き起こしている摂取カロリーの増加は、タンパク質ではなく、脂肪と炭水化物のかたちで摂取されているのだ。タンパク質摂取量はここ数十年あまり変わっていない。

 

ここでヒトでの実験結果を紹介する。実験は、レイチェルと言うスイスの山奥に山小屋をもった女性が行ったものだ。レイチェルは10人の大学生の友人と家族を募って山小屋に行き、一週間カフェインもアルコールもチョコレートも与えず、人間バッタとして扱った。被験者は最初の2日間は、肉、魚、卵、乳製品、パン、果物、野菜などのビュッフェから、好きなものを好きなだけ食べる事ができた。食べた物は全て重さを計量され、また食品成分表を基に各食品のタンパク質、炭水化物、脂肪の含有量が計算された。続いて3日目と4日目に、被験者は二つのグループに分かれ、食品の選択肢を狭められた。一方のグループは、高タンパク質のビュッフェ-肉、魚、卵、多少の乳製品、少量の果物と野菜-を提供され、もう一方のグループは肉・魚・卵抜きの様々な低タンパク質/高炭水化物・高脂肪食-多量のパスタ、パン、シリアル、そしてデザートまで-を与えられた。この時も、全ての被験者は与えられた食事を好きなだけ食べる事ができ、選択した食品のカロリーと主要栄養素の含有量が記録された。その2日間が終わると、また2日間、全員が全ての食品を含む最初のビュッフェに戻され、その後解放された。

 

被験者が自由に食事を選択できた第一段階では、予想摂取量に近いカロリーを摂り。タンパク質のカロリー比率は約18%だった。これまでの研究で、世界中の人々のタンパク質のカロリー比率は15-20%であることが分かっている。驚いたことに、被験者が高タンパク質食のグループと、高炭水化物・高脂肪食のグループに分かれた第二段階では、被験者全員が自由選択肢段階と同じタンパク質の摂取量を維持した。つまり、バッタの実験結果と同じ傾向を示したのだ。タンパク質ターゲットを満たすために、高炭水化物・高脂肪食のグループは摂取カロリーを35%増やし、高タンパク質食のグループは摂取カロリーを38%減らした。

 

以前のブログでも紹介したが、人間はバリエーションが豊富なため、平均値で物語ってもその人個人には有効でない場合も多々あることは事実だ。但し、今回紹介した実験結果は非常に興味深く、一般的な傾向を捉えていると思う。現在の食事には、お米、小麦製品(麺類、パン、ピザ、シリアルなど)に加え、甘い加工食品がまん延している。最近の研究では、良質な脂肪(オネガ3/オメガ9脂肪酸やDHA/EPAなど)はむしろ摂取した方が良いとされている。No.67のブログで書いたが、運動ではダイエットは痩せることはできない。ダイエットは食事からなのだ。You are what you eat!

 

「人は見たいものしか見ない」:ユリウス・カエサル

「人間は自分の聞きたい言葉しか聞かない」:ゲーテ

 

おさむちゃん