このまま日本のトルコ化は進むのか | 幸せな起業と新規事業とビジネスと

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 これまでの失敗のツケを全部返してと云わんばかりに日銀は追い詰められています。発端は4月26日の植田総裁の発言。この時156円まで安くなった円安に対し、「基調的な物価上昇率への影響は無視できる範囲」と、この程度の円安なら問題なしの姿勢でした。 

 

 ところが投機筋は、植田総裁がこのまま円安を容認すると受け止めその後160円まで急落しました。経済界からは「円相場の急激な変化が企業活動の足を引っ張る」の声が上がっています。本音は、円安進行で金利を上げられると住宅ローンや中小の資金繰りが厳しくなる。 

 

 とは云っても、日銀が金利上昇を上げ始めるとこの国の財政は行き詰ってしまいます。それでなくても赤字国債の発行によって何とかバランスをとっているわが国の国家予算です。金利と元金払いとを始めると手のつけられない状態に陥ることは確実です。 

 

 日銀も財務省も、米国FRBが政策金利を引き下げると読んでいましたが、現実は年内の引き下げさえ難しくなっています。米国民の消費力が強く下手をすると再度引上げる可能性さえ言及する人がいます。こうなると借金まみれの日本の財政には厳しいです。 

 

 日本は一つ間違えると、トルコと同じ道を歩む可能性があります。トルコはヨーロッパと中東とを結ぶ接点にあり、エルドアン氏が首相と大統領を20年近く勤めています。この大統領、国民の支持を得るため金利引上げに長いこと反対してきました。 

 

 財政健全化のため物価上昇を抑える手法として金利引上げを進めようとしましたが、そのたびに中央銀行総裁の首を切ってきた大統領です。その結果ロシアのウクライナ侵攻によって、21年から前年比70~80%の消費者物価指数が上昇しています。 

 

 今年4月も前年比で69.8%の上昇が続いています。昨年5月の大統領再選以降は、8.5%だった金利を40%まで引き上げる予定です。日本はトルコと違い基礎的経済力が格段に上ですが、それでも世界で突出した約1300兆円の借金はたいへんな負担です。 

 

 金利を上げると利払いが払えない、このままの赤字国債発行は難しくなる、円安はますます進みそうななかこの先どうなるのか。自民党はそのさき政権運営が厳しくなったら野党に政権を任せ、自分たちは政界引退を考える年寄り議員が多そうです。  

 

【ひとり言】 

 今年に入ってトルコ政府は、公共投資を15%減、政府支出も10%減らすといってます。ただこの程度では、70%近いインフレには焼け石に水のようです。エルドアンは選挙に勝ちすれば、後はどうなろうと知らんふり。ロシアのプーチン大統領は、政敵は次々とこの世から消して政権維持。この二人ととても仲のよかった安倍元首相は、苦しくなると病気で政権を投げ出す。三人三様ですが、どこの国民もみな大変な苦しみのなかです。