今月から新たな年度が始まりました。起業を目指す人のなかにはこのタイミングで会社を退社した人もいると思います。退社するときに悩むのが、自分の起業をどの範囲の人までに知らせておくべきか。誰にも知らせないのは、勝手に支援者を減らすようで感心できません。
あまり大騒ぎして触れ回っても、もし失敗したときのことを考えますと意外と萎縮してしまうもの。退社した後、自分にとっての人脈ネットワークを図表にしてみるのは大切です。
会社を辞めますと、これまで親しくしていた友人、知人のなかには、疎遠になる人も大勢でてきます。逆に、起業したことでそれまでは親しくなかったけれど、できたら退職後は連絡を取り合って情報交換したいと思う人もいるはずです。
事前に退職を知らせておいた人でなければ、相手は近親感を持ってくれません。わたしの場合、自分の人脈と呼べる人を3つのレベルに分けました。第一群は古くからの付き合いのある人で、私生活でお互いによく知る人です。
第二群は、一緒に仕事をした経験があって相手にそれなりの能力があることを認めている人。ただ、仕事上だけの付き合いで、個人的にはほとんど相手の生活を知らない人でもあります。
第三群はお互いに相手の顔を知っている程度のレベルの人。仕事で一時親しくさせてもらったことのある程度で、知人と呼んでいいのか悩むレベルの人です。
この3つに分類して、第一群と二群の人にはけじめを付ける意味もありまして、挨拶に出向きました。第三群の人には、後日挨拶状を郵送しようと思っていましたが、会社の住所しか知らない人が多いため、メールと合わせて最小限の人しか連絡できませんでした。
後々起業で協力をお願いしたいのは、第二群の人たちです。人を紹介してくれたり、貴重な情報を知らせてくれる人もいました。こちらからも、退社後連絡をしたこともありまして、この仕事だけでも付き合いの太い人は役立ちます。
第一群の人は目線が似ているだけに、同じ会社で仕事をするには楽ですが、独立して自分で仕事をするとなると、これまでにない違和感を覚えたりするものです。これはあくまでもわたしの実感です。
みなさんのなかは、既にこのような人脈ネットワークのリスト作りをしている人も多いと思います。もしこれからでしたら、会社を辞めた後のことをイメージして、気楽に連絡できる関係を今から作っておきたいものです。起業した後から人脈作りを考えると意外と厄介なものです。
【ひとり言】
わたしもそうですが、起業する人は意外と人脈が少ない傾向があります。人と群れないことを信条としている人が多いためと思われます。そのためいざ起業となるとき、人脈を活用する起業には不向きと思われがちです。ただ、人間関係の基本はウィンウィンの関係。相手に「してもらう」ことばかりを考えず、相手に「してあげる」ことを考えると、人脈は間違いなく広がってきます。