イメージの翼−3 大崎クラス | 大崎淳治

大崎淳治

グラフィックデザイナー

僕が教えるのは大学の芸術学部4年生。
大学最後の一年、イメージの翼をいっぱいに広げて、
空高く飛んでいってほしい。
そんな思いから決めたテーマ「My Hobby」。

自身の趣味、嗜好をテーマにすることで、
より掘り下げたコミュニケーションが生まれるのではないかという狙いで、
このテーマを設定しました。
しかしながら、僕の授業や講義は、テーマの意味やイメージを限定するのではなく、
そこから、どれだけ発想や着想をジャンプしていけるかに着目点を置いています。
僕はそのジャンプ台みたいなもの。
なぜなら若い柔らかな脳に、果てしない期待をしているからです。

今日紹介するのは、
またまた、「これと言って趣味がありません」と ボソボソっと切りだしてきたNさん。
だけど、とにかく、手を使ってモノを作ることが、大好きだと言う。
「芸術学部らしい趣味が あるじゃない?」
「他には?」と聞くと、
古墳とか埴輪が好きで、住んでいる街には、古墳が点在しているそうだ。
埴輪には、ちょとうるさそうだ?
そうこう話ているうちに、
Nさんがなんとなく埴輪に見えてきた?
「よしっ!埴輪でいこうよ!」
という訳で、
「ハニワ工作所」というショップを提案してきました。
一風変わったこの工作所は、
依頼主の嗜好品をイメージして制作するという。
埴輪とはそもそも古墳とセットで、
権力表現の副葬等いろんな説があるが、
生きているうちにお墓を作るっていうのはよくあるが、
埴輪は聞いたことがない。
ある意味、部屋のオブジェにもなるし、
亡くなったら、土にもどる意味で一緒に火葬してもいい。
そうコンセプトを説明すると、
実際に制作してきた埴輪を取り出した瞬間、
「うわぁ~はにわや~!超カワイイ!」と絶賛!
ドライブ好きな人のために、
クルマをイメージした現代の埴輪を制作してきた。
眺めているとなんとなく優しい気持ちになる。
ショップカードや封筒、便箋も
土っぽい紙で制作、それぞれのカタチは古墳のカタチをしているという。
ロゴがいい。「古代文字をデフォルメして表現しました!」と言うが、
どこか宇宙のようで、そしてプリミティブだ。

あなたなら、どんな埴輪を頼んでみますか?
大崎淳治
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