(⑤からのつづき)そんな厳しく辛い毎日を挫折せずに、続けていた理由がもうひとつありました。一週間先に入った同期のS・Tに負けたくないという強い思いでした。彼は器用で要領も良く、私が後から入って来た為パントリー(洗い場)もすぐ離れる事ができたうえに、私の師匠がサブチーフという役職なのに対して、彼の師匠はチーフだった為、彼の方がいろんな点で有利な立場にありました。不器用な私は、あらゆる点で彼より評価が低く、悔しいのですが。当時は彼より勝っている部分というのが、ほとんどありませんでした。同じ歳の彼に勝てる部分が何も無いまま、挫折して辞めてしまったら、今後の自分が惨めになりそうで、それだけは嫌だという気持ちと夢を叶えたいという気持ちが自分を堪えさせていました。つづく

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